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就活:長期化、学業に支障…解禁破り続出、見直し論

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来年春卒業の大学生らの採用活動は10月1日に正式な内定日を迎える。採用を巡る経団連の指針見直しにより、今年から面接や筆記試験などの選考活動解禁が、従来より4カ月遅れの8月1日に繰り下げられたが、企業からは「ライバル社が抜け駆けで採用活動を行い、不公平」などの不満が噴出した。学生からも「就職活動が長期化した」などと困惑の声が目立った。指針見直しは、「学業に専念する時間の確保」が狙いだったが、効果を発揮したとは言い難く、早くも再見直し論が出ている。 「まさかこんな時期まで就活をしているとは思わなかった。12月提出予定の卒論も準備が進んでいないのに」。東京商工会議所が9月10、11の両日、中小企業を集めて東京都港区で開いた合同会社説明会。3月から就活中という埼玉県在住の女子大学生は疲れた表情で話した。昨年までは、経団連非加盟の外資系、IT企業が大学3年生の後半から採用活動を実施▽経団連加盟の大企業は大学4年4月から面接を始め、7月初旬までには実質的な内定を出す。その後、中小企業の採用が本格化--という流れだった。ところが今年は、外資系、IT企業が他業界に先駆けて選考を本格化させたのが春ごろ。経団連の指針を守った大企業は8月にようやく選考に着手した。ただし、「他社より良い人材を確保したい」との思惑で「解禁破り」が横行した模様で、「学生に聞くと、ライバル社は解禁前から面接を行っていた」(金融大手)、「セミナーなどと称して実質的な面接を実施し、8月前に内定を出した」(流通大手)などの声が漏れる。就職情報会社「リクルートキャリア」によると、昨年の経団連の選考解禁日(4月1日)時点で、学生の就職内定率は18.5%。これに対し、今年の解禁日(8月1日)の内定率は65.3%に達し、「解禁前に(面接など選考活動を)行っていた証左」(日本商工会議所会頭)が示された格好だ。一方、就職活動中の学生の割合は今年3~7月(各月とも1日時点)まで8割超を維持。9月1日時点は37.5%で昨年(20.9%)を大幅に上回り、就活の長期化を裏付けた。解禁日を順守したという自動車メーカーの関係者は「優秀な学生を先に他社にとられたケースもあったはずで、正直者がばかを見る制度」と経団連の指針を批判。保険、運輸、電機大手の関係者からは「解禁日前に他社で内定をもらい、就職の申し込みさえしない学生が増えた」「学生のエントリー数が2、3割減った」との不満も続出した。一方、中小企業では今春以降、学生に内定を出したものの、経団連で選考解禁になった8月以降、内定辞退を伝える学生が相次いだ。東商の説明会に参加した消防設備販売・点検会社の採用担当者は「内定者4人のうち2人が辞退した」と明かし、「採用活動では、大企業のスケジュールに神経を使わざるを得ない」と語った。  (2015.9.29 毎日新聞)  はたらく女性/育児とお仕事 オフィスタ http://www.offista.com/

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作成: 2019/03/21 (木) 17:24:00
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