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年々増える「就職留年生」 内定もらっても辞退

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厚生労働省が発表している「内定率調査」。今年3月の卒業生を対象としたデータでは、2013年2月1日時点で前年比1.2ポイント増加の81.7%となっており、内定状況が改善されていることは紛れも無い事実であろう。しかし、その一方で年々増加傾向にあるのが「就職留年生」だ。毎年何名の就職留年生がいるのか正確な人数を把握することは難しいが、内定塾の説明会に参加する学生に限定しても、就職留年生は間違いなく増加している。内定塾では毎年5月頃から、現3回生に向けてのカリキュラム説明会を実施している。驚くことに、この時点でも就職留年を決意している学生が多く参加しているのだ。5月といえば、大手企業の採用は少し落ち着く時期だが、まだまだ採用活動真っ最中の優良企業が多く存在する時期。実際に彼らに話を聞いてみると…「4月の選考で全て落ちてしまって受験企業が無い」「第一志望に落ちてしまったので来年もう一度挑戦しようと思っている」「もう中小企業しか残っていないので受験する気が無くなった」「内定はもらったけど本命ではないのでもう一年やりたい」というような返答が数多く返ってくる。大手企業に限っても2次募集や夏採用など、まだまだ挑戦する機会は多く残っているし、前述したように、「名前を知らないだけの優良企業」は採用活動を継続している。このような話を聞いていると、「学生の中で就職留年に対するハードルが低くなっているのではないか?」と率直に感じてしまう。実際に就職留年をして良い結果を導き出した事例もあるし、大学でも就職浪人をサポートする制度(学費の減額など)は充実しているので、学生にとっては「選択肢の一つ」として位置づけ易くなったのは事実であろう。しかし、実際には「就職留年に対するデメリット」は数多く存在する。その最たる例が、エントリーシートの通過率だ。実際に、「去年は通過したが今年はエントリーシートで落とされる」というケースは頻繁にみられる。企業によって就職留年における印象は様々で、良い印象を持たない企業であれば、書類選考の時点でばっさり落とされてしまうのだ。また、面接でも問題が多い。面接ではほぼ間違いなく、「就職留年の理由」を質問される。ここでは「面接官を納得させる理由」が重要になる。「なぜ就職留年を決意したのか」「昨年の反省点はなんだったのか」「昨年と比べて、自身の行動をどのように変えたのか」などなど、面接官はより深く、詳しく留年の理由を質問してくる。「就活の期間が1年延びれば何とかなる」「先輩も就職留年だし大丈夫だ」という漠然とした考えでは、面接官は到底納得しないだろう。就職活動の留年は受験勉強と異なり、不合格の理由が見えづらく、対策を立てることも難しい。単純に「時間を掛ければ何とかなる」という理屈は通用しないのだ。「就職留年は珍しいことではない、仕方がない」という風潮に流されず、自分がどのような仕事したいのか、そのために自分に足りていないものは何か、どのような行動を起こすべきかなど、明確なビジョンを持った上で行動しなければ、良い成果には結びつかないだろう。  (2013.8.5 産経新聞)

オフィスタ
作成: 2019/03/20 (水) 19:38:38
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