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「育休3年」必要?誰得戦略が活かせる女性とは

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安倍政権がアベノミクス成長戦略の一つとして打ち出したのは女性を活用する政策。そのうちの一つ、「育児休暇3年」について、女性たちからさまざまな声が上がっています。この制度によって、本当に女性は仕事と育児を両立しやすくなるのでしょうか? 検証してみました。育児休暇3年は本当に必要か。現在の育児休暇制度は、最長1年半が法律で認められています。その間、休業前賃金の50%がもらえます。 この制度はかなり定着してきており、厚生労働省が行った「雇用均等基本調査」によると平成23年度の女性の育児休暇取得率は87.8%となっています。実は、大企業ではすでに今回政府が打ち出した3年の育児休暇を認めているところも多くあるのですが、実際に取得する女性はとても少ないという現実があるのです。実際に、3年の育児休暇を認めている資生堂では、女性の平均取得期間は1年3ヶ月。また、キリンビールは、3年取得する人があまりに少ないため短時間勤務制度を拡充した上で、育児休暇を2歳までに縮めたそうですし、ベネッセコーポレーションも3年休むと復帰率が下がったため、子どもが1歳になった直後の4月か9月までに期間を短縮したそうです。  育児休暇3年が取れない理由 育児休暇を3年取れる女性たちは、なぜまるまる3年取得しないのでしょうか? 実際に女性たちからは、このような声が上がっています。  ●その1:経済的事情 「3年も休めるのは、その間給料がなくてもやっていける人だけ。もともと共働き前提でローンも組んでいるので、3年は長すぎる」(32歳/広告) ●その2:スキルの問題 「IT関係の仕事で、3年ブランクがあったらシステムがまったく変わってしまう」(30歳/IT) ●その3:職場の事情 「会社から、育休3年取ってもいいが、その場合同じ職務に復帰するのはムリだといわれた」(34歳/メーカー) ●キャリア形成の問題 「役職者となると代わりがいないため、3年はおろか1年すら不在は不可能」(36歳/編集)  育児休暇3年を認めている企業でも、実際3年の取得を推進しているわけではなく、あくまで選択肢のひとつとしての位置付けでしかないようです。  育休3年は誰得なのか そもそも育児休暇うんぬんは主に正社員で働き続けている女性の話。2013年の統計では、25〜34歳女性の4割が非正規雇用者。育休そのものが対象になっていない人も多いということになります。また、2010年に初産で出産した女性の出産前後の退職率は54.1%ですから、まだまだ半数以上は出産を機に退職しているという現実があります。退職者の中で「仕事を続けたいけれど子どもが3歳までは子育てに専念したい」と考えて退職を選んだ女性にとって「育休3年」は意味のある制度になりそうですが、その割合がどれくらいいるのか内訳は不明です。こうした現状を踏まえて、育休を3年にすることで仕事と子育てを両立しやすくなる人とはどのような人なのでしょうか?現状を整理してみると、それは「正社員で、3年休んでも復職できる職務および職場であり、復職後も時短勤務など子育て環境が認められていて、さらに育休中は経済的に問題がなく、加えて3歳までは子育てに専念したいと思っている女性」ということになるのではないでしょうか。そう考えると、「育休3年」が有効に活用できるのはかなり限られた条件の女性のみであるように感じられるのですが制度です。  (2013.6.3 Gow!マガジン)

オフィスタ
作成: 2019/03/20 (水) 19:36:02
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