24裁判心理学

投稿の手引き / 381

560 コメント
views
0 フォロー
381
F22044 2024/12/06 (金) 11:57:38 da155@285ee

足利事件を通じて、心理学鑑定における新しいアプローチの必要性が明らかになった。この事件では、裁判所が供述の信用性を判断する際に用いる経験則や常識に基づく解釈と、心理学的視点の分析方法との間に大きな隔たりが存在していた。供述分析では、解釈や推論に基づく判断を排し、供述そのものに内在する特性に注目する方針を取ったが、このアプローチを裁判所が受け入れるためには、鑑定内容を丁寧に解説し、共通の基盤を築く必要があるとわかった。
この事件をきっかけに、新たな鑑定方法として外部基準を用いないアプローチが提言された。従来の外部基準による評価は、例外事例を否定できず、基準そのものが悪用されるリスクもある。代わりに、供述内に現れる「その人らしさ」を探ることに重点を置く内部基準の発見が重要である。また、「精神薄弱境界域」という能力に基づく供述評価の限界も浮き彫りになった。能力とは確率的な特徴であり、これを個別の供述や行為の説明に適用することは、十分な根拠を持たない場合が多い。さらに、対象が異なれば方法も異なるという「対象と方法の一回性」の考え方も重要になる。このアプローチでは、個々のケースに応じた柔軟な方法を採用し、万能の法則に頼ることなく現象そのものを分析する。足利事件では、被疑者の供述における動作主交代や時系列接続などの特徴を通じて、実際に体験した出来事と構成された供述の違いを特定した。この分析により、外部基準を排除した新しい方法論が有効であることが示された。
以上を踏まえると、心理学鑑定には、裁判所との共通の基盤を築きながら、内部基準に基づく分析を推進することが求められる。このようなアプローチは、供述の特性を正確に評価し、冤罪防止につながる可能性がある。また、丁寧な解説を通じて裁判所の理解を得る努力が必要になってくる。

通報 ...
  • 401
    satsugakushinri 2024/12/09 (月) 17:56:24 >> 381

     「鑑定内容を丁寧に解説し、共通の基盤を築く必要がある」のですが、これがどれだけ困難なことかはわかってもらえたでしょうか。心理学者がその前にわからないといけない。あなたの理解は正しく、おっしゃることはその通りですが、我々の立場に立った正論が語られているだけにも見えます。正論が通じない状況の分析や、それをどう打開できるかを考察してあるとよかったと思いました。
    6点差し上げます。