1.発問方法の工夫
「事情聴取における聴取者の発問タイプと被聴取者から得られる情報量の関連」(警察大学校取調べ技術総合研究・研修センター 山本渉太ら)の論文では、事情聴取のどの段階において、どのような発問が被聴取者から多くの情報を引き出せるのかを、対面による影響を排除して検討した。なお対面の代わりに、聴取者と被聴取者が時間を共有できるチャットのソフトウェアを用いた聴取場面を設定した。結果として、被聴取者の応答に制約をかけないオープン質問である自由再生質問は、特定の内容について問うクローズド質問よりも被聴取者から多くの情報を引き出すという先行研究と一致していた(Oxburgh et al.2010)。これらのことから事情聴取において、被聴取者から効率的に情報を収集するためには主に自由再生質問を優先的に用いる事が重要と述べている。クローズド質問の焦点化質問や選択式質問は、自由再生質問では得られなかった情報を得る目的で用いるのが効果的だと記載している。誘導質問は先行研究、本研究で焦点化質問と選択式質問と比較してほとんど出現しなかった。要因として、特定の事実の存在を前提としているため、被聴取者の誤った証言を引き出してしまう恐れがある。よって誘導質問は用いるべきではない。以上のことから誘導質問は使用せず、主に自由再生質問を、補う形でクローズド質問を使用する工夫が必要と考えられる。
https://www.ritsumeihuman.com/wp-content/uploads/2019/03/gl_38_yamamoto-yamamoto-shibuya-naka.pdf
2.他のシステム変数の望ましいコントロールの現状
取調べの現状について、2019年に検察官が弁護士による弁護人になろうとする者としての被疑者との接見を妨害した事件が起きた。これは検察官が、被疑者と弁護士を会わせないことにより、自身を有利な立ち位置に置くことで、被疑者の自白調書を作った。この事件の問題点として、東京地方裁判所がはいるまで、第三者が介入しなかったことだ。最終的に東京地方裁判所により、検察官の行動は違法となったが、被疑者の心理を想像するに不安による重い負荷がかかっていたと考察する。
https://www.nichibenren.or.jp/activity/criminal/visualisation/mondaijirei.html
3.システム変数の望ましいコントロールが進んでいない原因
上記の2でも示したように、システム変数のコントロールするのは人間である。そのため感情に振り回されないAIと違い、いくら職責を守ると誓っていても、自分の利益を優先することに意思が揺らぐものが人間である。しかしAIを人間の代わりとして取調べに置くことは、前例がない予想外のことには対応できないと考える。よって、1つの機関だけの話にしてしまうことで問題が起きるため、第三者を介入させることがよいと提案する。
最初の文献は「現状」を述べたものではないと思います。それから、文献を引用するときの基本ルールを学んでください。山本渉太・山元修一 ・渋谷友祐・仲真紀子(2019)のようにします。
弁護人の接見とシステム変数の統制はどう関係しているのですか。スーパーパイザー的な監視役を入れるといいということですか。
4点差し上げます。