農産物直売所、通販で奮闘 地震で店舗営業休止
熊本日日新聞2016年06月01日
熊本地震で道路が寸断されたが、野菜のネット販売で奮闘している「俵山交流館・萌の里」の従業員ら=西原村
熊本地震による県道・俵山バイパスの寸断で、店舗営業ができなくなっている西原村小森の農産物・加工品の直売所「俵山交流館・萌の里」が、野菜のネット販売で奮闘している。
施設に大きな被害はなかったが、同館への主要経路となる俵山バイパスはトンネルや橋などが損壊。熊本市、南阿蘇村双方向ともに不通となっている。
4月16日の本震直後は避難所に野菜を提供していたが、店舗での営業再開のめどが立たない中、5月初旬に初めてとなるネット販売を試みた。
商品は、スイートコーンやトマトなど12品目前後の季節の農産物を箱詰めした「野菜の玉手箱」(2500円)。ホームページなどによる情報発信で、発売当初から1日40箱の出荷量に対し、100件超の注文が入るほどの人気で、購入者からは「大変な状況の中、ありがとう」などのメッセージも寄せられている。
多くの農家が被災し、同館の登録農家・業者約250軒のうち、出荷できているのは15軒で、取扱量も例年の約1割と少ない。それでも同館の寺本篤史次長は「家の復旧よりも農作業を優先している農家も多いだけに、販路確保で応えたい」と強調。サツマイモを納入した近くの田中英雄さん(65)は「小規模農家にとって直売は貴重な収入源。販売を続けてもらえたのはありがたい」と話した。
同館は村役場付近に仮店舗建設を進めており、7月ごろ完成の見通し。同館TEL096(292)2211(大倉尚隆)
http://kumanichi.com/news/local/main/20160601007.xhtml