熊本地震で支援策第2弾 種子・苗代を半額助成 農水省
日本農業新聞(2016/5/19)
農水省は18日、熊本地震を受けた第2弾の農業支援策を公表した。2016年度補正予算を活用し、被災した農業者の営農再開に向け、水稲から大豆など作物転換にかかる種子代や作業料金を助成する。畜産クラスター事業を通じた畜産経営の再建などにも乗り出す。
第2弾の支援策は、17日の補正予算成立を受けて公表した。森山裕農相は「速やかに営農再開いただけるようにサポートする」と述べ、事業の執行を急ぐ考えを示した。
営農再開に向けた支援では、地割れや水利施設の損傷で16年産の稲作が困難になった農業者に対し、代わりに作付ける大豆や野菜などの種子・種苗代を半額以内で助成する。農作業委託や、代替作物の栽培に必要な農業機械のレンタルにかかる経費も支援する。
中でも、大豆など経営安定対策の対象作物には交付金合わせて10アール当たり5万5000円が支払われるため、所得の一定確保へ一連の対策で作付けを後押しする考え。
畜舎の倒壊や家畜の死亡といった甚大な被害が出ている畜産経営の再建は、畜産クラスター事業で対応。地域ぐるみで収益力向上に取り組む畜産クラスター計画の中心的経営体に、施設整備と家畜導入をセットで支援する。被災地の建設費高騰に備え、施設整備を支援する際の上限単価引き上げなど柔軟に対応する。
この他、被災を機に野菜や果樹などに作物転換したり、規模を拡大したりする農業者も支援する。農業機械や施設園芸用機器のリース導入、パイプハウスや果樹棚の設置に必要な資材の共同購入にかかる経費を半額以内で助成する。
今回の補正予算は、省庁ごとに予算を積み上げる従来の編成と違い、あらかじめ使い道を定めない予備費を財源とした。同省は現場の要望を聞き取り、事業費を決める方針。農業者が支援を受けるには、JAや市町村などを通じ、同省に意向を伝える必要がある。
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