ミバなど

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ヤバ子 2022/02/03 (木) 23:18:09 修正

「ん…」
目が乾いている感じがする。
ぼやけた視界に入るのは、天井と、まだ夕方だからついてない部屋の電気と。
…あれ。夢を見ていたっけ。
真っ暗な真ん中に一人、誰か、居て。
何か、言われて。
…。

「…っんん…」
思い出せない。
もう一眠りつこうと、寝返りをうつ。
カアカアと、外でカラスが鳴いている。扇風機の音。
コポコポと、ケトルが沸騰する音。駆け足。
「やぁば、溢れてんじゃん…」という、女の声。
「〜♪」
いつか、どこかで聞いたことのある曲の鼻歌を歌いながら、カチャカチャと食器の音が鳴る。
…。

「え?!」
「うわっ、何」
その鼻歌の主は驚き、自分を蔑むような目で足元から頭までを見上げ、
「…っていうか、起きてたんだ。」
と、呆れたような言い方をした。
「えーっと、その、起きてたー…って、いうか」
「まー起きたんなら顔洗ってきなよ。丁度お湯沸いたし。」
その女の子は手際良く棚からカップを2つ取り出し、「コーヒーでいいよね」と言いながらインスタントコーヒーを手に取る。
「あ、うん、いいけど…」
洗面所に向かおうとして、ある事に気付く。
「…洗面所、どっちだっけ」
「はぁ??」
今度こそ軽蔑した目でこっちを見つめてくる女の子。
「…そこ行って右。…ホント、何の冗談?」
「ごめん…
刺々しい視線を浴びつつ、女の子に言われた通りに洗面所へ向かった。

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