真昼の迫真ランド

【SS】Requiem:channel / 83

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ちゃむがめ 2021/07/13 (火) 01:29:39 修正

本堂へ通じる扉の前に到着し、私は勢い良く右足で扉を蹴り開いた。


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これはどうしたことだろうか、本堂内は見渡す限り群れる(ねこ)(ハト)(スズメ)(ねこ)(カラス)、ネコ、(ワシ)獅子(ライオン)。そしてそれらに翻弄され、慌てふためく管理局員達。
その光景はまるでチープなサーカスの様でとても不愉快なモノだった、ただ一人リョック大佐がピストルを片手に、害獣を相手に勇敢に立ち向かっていたことが唯一の救いだった。
私は即座に愛銃を両手に構え、不愉快な害獣ら目掛け弾丸の雨を浴びせる。
害獣共は文明の利器の前には無力にも力尽き果てていき、彼らの死骸が地面に臥していった。

「お待ちしておりました、治安管理局の客人方。」

奥の祭壇に寄り掛かり、余裕綽々といった面持ちでこちらに眼を据えた猫耳の女がそう言った。

「…貴様らは何者だ?"コレ"は貴様らの断片(フラグメント)か?」
(わたくし)、アザミ教会東部街支部から参りました。猫冴彩奈と申します、以後お見知り置きを。そしてこちら…」
「クルッポーイッパン・チョーだッピ覚えとケコッコー
「…あなたの仰る通り、これは私達の断片(フラグメント)による"(たわむ)れ"でございます。」
「この度は遥々(はるばる)治安管理局中央街(セントラルシティ)本部からお越し頂いた客人方を退屈させぬ様ちょっとした"余興"を披露させていただいた故、手応えも無く逆に我々が退屈してしまった頃合に来て頂いた事、感謝を申し上げましょう。」

Merde(フザけるな)!私は貴様らの不出来なサーカスには毛頭付き合うつもりは無い。貴様らの愚劣で腐った肉体がそこらに転がる害獣の死肉の様になりたくなければ今すぐに断片(フラグメント)を解除し、大人しく投降したまえ。」
「成程…"サーカス"ですか、これ以上にない完璧な喩えですね…。それでは、こういうのは如何(いかが)でしょう?」

猫耳の女がパチンと指を鳴らすと先刻までそこら中に転がっていたネコ科動物の亡骸は消失し、突然虚空に現れた虚空の孔から獅子、虎、豹、狩猟豹(チーター)…ネコ科の猛獣達が召喚され、パニックに陥る局員達を次々に一方的に捕食していく。そして更に本堂のスタンドガラスを突き破り猛禽類達の群れが姿を現し追い討ちを掛けるように逃げ惑う局員達の肉体を啄んでいく。
局員達の阿鼻叫喚の悲鳴が本堂内に響き渡る。

「"余興"はお終いにして、一般局員達の捕食ショー…"捕食曲芸"というのはどうでしょう?」
「カッカッカッー非断片者が断片者(フラグメンター)に楯突くのがそもそもの間違いだっピヨ

「虫唾の走るカルトの外道共が…!!ヘタル准将!貴様の断片(フラグメント)で非断片者(フラグメンター)の一般局員共を連れて今すぐ本堂から脱出し、教祖が此処に居なかったことを本部へ連絡しろ!リョック大佐、断片者(フラグメンター)へ果敢に立ち向かう貴様の勇姿を評して私の後方支援は任せたぞ…。」

「了解です!皆さんこちらへ!!」
「了解であります!」

「ふふ…賢明な方です、曲芸者の私達、一般管理局員(猛獣の餌)、そして貴方と後衛の銃オタク(非断片者)果たして誰が最後までこのサーカスの舞台の上に立てるのでしょう?」

「猫冴紗奈、断言しようこの巫山戯(フザけ)たサーカスの舞台から先に退場するのは私でも勇敢なる兵士(リョック大佐)でもない、貴様ら悪趣味な猛獣使いだ。」

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