真昼の迫真ランド

【SS】Requiem:channel / 82

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ちゃむがめ 2021/07/12 (月) 22:54:49 修正



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アザミの本拠地とされるこの教会堂内は正面扉から祭壇のある本堂(サンクチュアリ)へは直結しておらず本堂(サンクチュアリ)を中心に囲う様にして続く身廊を通り左右に位置する扉のみが本堂へ通じる唯一の経路である。そしてその身廊のさらに奥へ行き本堂の裏側に位置する裏口、正面扉前に現在私とヘタルを省いたチームα,チームcが現在待機している。

教会堂内へ足を踏み入れるなり本堂内から発砲音が聞こえる。
状況から察するに痺れを切らしたアザミが局員らに対して攻撃を開始したのだろう。

「状況は穏やかではないようだ…向こうが引き金を引き抜いたのならば、此方も抜かねば無作法というモノだ。」

私は背負っていたガンケースのジッパーを開け、二丁の機関銃を取り出しグリップを握る。
名は右手に持つのがMélisande(メリザンド)、左手に持つのがGiselle(ジゼル)
私の唯一の愛銃(相棒)だ。
思い出す、かつて"彼女ら"の手を取り共に硝煙煙る戦場を駆け抜け、敵国の隊兵共を葬り去った若き日を。私にとって唯一の美しい"(あか)い春"の思い出。

「レミート少将の"ソレ"、久しぶりに見ますね…」

「あぁ、約半年ぶりの舞台だ。その分"彼女ら"には存分に舞台の上で踊って頂かなくてはならないな。」

「(愛銃しか友達いないのかなこの人…)あはは…そうですね…アザミには恐らく複数名の断片者(フラグメンター)の幹部が居るものと思われます、国家公認断片者(フラグメンター)の局員が居ない本堂内のメンバーでは荷が重いでしょう…私達もすぐに加勢しないと!」

「あぁ…道草を食っている場合では無かったな、先を急ぐぞ。」

私達は本堂へ通じる扉に向かい脇目も振らずに身廊を駆け抜けた。

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