真昼の迫真ランド

【SS】Requiem:channel / 5

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ちゃむがめ 2021/06/21 (月) 23:33:25 修正

やがてその車は目の前で急ブレーキ気味に停車した、車体は黄色、フロントやボンネットには何度も衝突したと思われる凹凸(おうとつ)がある。
ルーフ(車の屋根)の上には「miivernelture taxi(ミーバネルチャ タクシー)」という表示灯が付いている。

「待たせたな、その子がお前が言ってた女の子か」
画像1

運転手の男は黒無地のスパッツの上に全身に黄金色の服を纏い所々に緑色のハート形の装飾が付いた何とも例え難い奇抜な服装をしていた。

「ハハッ!そうだ!全部予定通りだった!」

先程まで無愛想な印象だったミッキーが一転して嬉し気な様子で返事をした。

「そうか、"予定通り"ならいい、"予定通り"じゃあなかったら俺達は困るところだったんだ、それでいい。さァさァ早く乗ってくれ、俺はこれ以上日光を浴びたくないんだ。」

その運転手は「早く乗れ」と催促する。
ミッキーに手を引き寄せられて半ば強引に私はタクシーに乗せられた。

「ハハッ!安全運転で頼むよ。」
「あぁ、安全運転でハイスコアを叩き出してやる。」

エンジンが掛かるとタクシーは急発進して猛スピードで何処かへと走って行く。
檻を抜けて約30分、止めどなく降り掛かる混沌の雨に打たれ私は未だに感情の整理がつかずにいた。

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