真昼の迫真ランド

【SS】Requiem:channel / 44

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ちゃむがめ 2021/06/30 (水) 19:25:02 修正

「昨日の夜、夢の中で私は考えていたんです。星野さんからもこの国の歪んだ秩序について教えてもらいました…私は確かに籠から出たばかりの小鳥に過ぎません…だけどっ!!」

「私の力が皆さんの役に立てるなら…この国の命運を変えられるのなら…ミーバネルチャという断片者(フラグメンター)達の自由を阻む歪んだ鳥籠を壊せるのなら…」

「…私は強くなりたい!!己の運命を己で切り拓けるような、この大空を自由に羽ばたく鳥達のように、私は強く在りたい!!だから…」

「『私を強くしてください』…だろ?」ニヤッ

「…はいっ!」

「他でもないその返事を待っていたんだ、いいだろう。お望み通りとあらばお前を一から鍛えてやる、その秘めたる断片(ちから)の扱い方も一緒にな。」

「但しもう残された時間はもう多くはない、俺の"授業"は星野の授業なんかとは比べ物にならない程のスパルタになるぞ、生半可な覚悟で挑めば泣きを見ることになる、今ならまだ引き返すこともできるが…」
「それでもまだお前の中に"強くなりたい"という『覚悟』があるのなら、着いてこい。"授業"は今日からだ。」

「……はいっ!私、死ぬまで頑張ります!」

「死んだら元も子もないだろうがアホンダラ、着替えを済ませたら店の前に来い。」

「分かりました!!」

彼が私の部屋を出て行った後の沈黙、私は浮き足立つ気持ちを抑えゴキゲンな様子で着替えを済ませる。
正直なところ私の心の中では憂鬱や心配の雲は一つもなく晴れやかな歓喜の青空が広がっていた。

私の中に秘められた断片(フラグメント)を自分のモノにすること、自由を手に入れる為強さを手に入れること。
そして─────
その強さの先に手にする真の自由への飛躍。
その全てが心から待ち遠しかった。


この時までは。

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