真昼の迫真ランド

【SS】Requiem:channel / 176

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相原ガガ美 2022/08/29 (月) 20:45:37




ドゴン

後ろで大きな爆発音がした。
僕は慌てて振り返る、爆風が僕達の全身を揺さぶる。
けれど隣にいたミッキー()は一切物怖じする素振りも見せず、未だこれから先の困厄を待ちくたびれているかのようだった。

「あはは、穏やかじゃないね、相変わらず。」

「十中八九レオの仕業だろうな、手榴弾(グレネード)なんかじゃあんなキノコ雲出来やしない。
"署長の退職祝い"にしちゃあ随分景気が良いな、ハハッ」
「──そうだろ?モノクロム。」

彼がそう口走ったのを皮切りに、空気が張り詰めていくのを肌に感じた、先刻の爆風の熱気が一瞬で凍てつく程に。

彼の視線の先、回廊の奥の奥から四方八方の空間を侵食するように現れたそれはドス黒く、流動する黒色のペンキの様で
辺り一帯真っ黒の真暗闇になったかと思えば、今度は其処彼処(そこかしこ)に無数の目がぎょろぎょろと開き始めて、それは幼い頃によく魘された典型的な悪夢の様で、僕は情けないことに生存本能が訴えかける恐怖に身を凍て尽くして、直立するのを保つのが精一杯だった。

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