真昼の迫真ランド

【SS】Requiem:channel / 172

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相原ガガ美 2022/04/15 (金) 18:00:49 修正



(さて)、僕は帰るよ。万が一君達と次に会える時が来るとすれば…」
「叮寧に切り分けられた君達の臓物の瓶詰を研究室の棚に並べて、それを僕がグアテマラコーヒーでも啜りながら感慨深く眺める時であることを祈ってるよ。」

眼鏡はそう言い残してその兵器と私達を背にして回廊の中、暗闇の奥深くへと姿を消した。
人類伐採機関試作機(ジェノサイドカッター・サブ)、一見して簡素な骨組みを躯体としていてとても単純な殺人兵器に思えたが
両手両足、そして頭部に相当する部位に丸鋸(カッター)を装着しており、その単純な躯体が標的を切断する為の機動性を確保する為の、殺意に満ち溢れた合理的な設計である事はすぐに理解できた。

「へぇ、牢獄の壁を瞬時に切断できる程の丸鋸か…間違いなく断片(フラグメント)の脳力だな。あの刃が人体を切断する様を想像すると流石に背筋が凍るね…✎」ゾクッ
「さぁ、お手並拝見と行くか。"隔离城壁(グゥアリー・ツァンチィァン)"」ドドド…

忌まわしい虐殺兵器(ジェノサイドカッター・サブ)から距離を取った未来羽いろが両掌を合わせると、虐殺兵器と私達を隔てるようにして幾つもの混凝土ブロックが形成されてゆく。
常人では戦車で砲撃でもしない限り突破できない程の即席の"城壁"が完成した。

「あ、あはは…流石に"アレ"ももう来れないんじゃ…」

「いいや…僕の読み通りなら奴はこの程度容易く突破してくる筈…〠」

"城壁"の奥、耳を澄まさずとも掘削機にも似た轟音が此方に迫ってくるのを感じ取った。

「奴が"万物の切断"を可能とする断片者(フラグメンター)…だとしたら、最早物理的に行動を封じるのは不可能だろーな…。」哈哈哈哈…

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