「フフッ…惨めな物だ、不死身の肉体を得ても尚、生に執着していたとは、些か哀れに映る。」
「同情するよ、君の無意味な結末に。」
露骨な嘲笑の意を込めた拍手をしながら、こちらに近づくのは白衣の様な看守の服を着た眼鏡の男。
「…あんた誰?茗夢をこんな目に合わせたのは…」
「それは茗夢遊戯の不死身の
「これは僕が
「なんで…茗夢にこんな事…」
「本来君のような薬物中毒の馬鹿な俗物に話す義理は無いが、訳を話そう。夜宵エマ、君は随分と茗夢遊戯と親密な仲だったように見えるからね。」
「茗夢遊戯、彼女はアザミ教会教祖という傀儡として現在の国家秩序に反抗思想を持つ野良
だが彼女は自身の中の良心に耐えられなかったのか、乱心し今回の脱獄騒ぎを首謀した。」
『私はアザミの信徒達を、彼らを見殺しにした。』
そうか、あの時の茗夢の言葉の意味は。
茗夢はこの眼鏡の男、そしてこの国と共謀していたから
初めから信者達を救うことができなかった。
「つまり、用済みだったから排除したまでのことさ。元より僕はあの女が目障りだったから、今か今かとこの時を待っていたよ。僕をやれ日陰者だ、やれ変態科学者だの侮蔑するあの声を2度と聞かずに済むと思うと…この国も居心地が良い。」
「さて、レート:A 泥棒猫。君は今この国の機密の一端を知ってしまった、残念だけど生かす理由が無くなってしまった、ここで消してしまう他ない…僕の"良心"も痛むが、致し方ない。」カチッ
「そうだったんだ…私やアザミの信者達を利用していたのは、茗夢じゃなくて
「…だったらてめぇが先に消えるべきだろ!陰キャ眼鏡!」
眼鏡の男が構えた拳銃の銃体に私の手錠に繋がれた鎖を当てがい銃口を逸らす。
私は予期せぬ事態に焦りを見せた眼鏡の男の股間を思い切り蹴り上げた。
「〜〜〜〜〜〜〜〜ッン°!!」
余りの痛みに股間を抑え、独特のステップのような足取りで眼鏡の男は後退る。