ミバなど

【SS】Requiem:channel / 165

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相原ガガ美 2022/03/07 (月) 21:27:57




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「星野、そろそろ引き上げるぞ。」

「あぁ、そうだね。断片者(フラグメンター)に行われた人体実験の記録は全部この128GBのUSBメモリにコピーしたし…」
「ははっ、今じゃ国家機密も電子化(ペーパーレス)の時代か。ま、確かに今時事務仕事(オフィスワーク)で紙媒体なんて使ってる会社、僕だったら勤めたくはないかなぁ…。」

「ハハッ!じゃあ本はどうだ?電子か?紙か?」

「それは断然紙だね。何せ手元に残せて収集欲を満たせるし、装丁のデザインや質感も楽しめる、本棚に飾ればインテリアにもなるし、何より電子書籍に比べて紙媒体の書籍の方が内容が記憶に残りやすいなんてデータもある。最悪内容がお気に召さなかったら売る事もできるし、そうして売られた本は古本市場で安く購入できる。」
「色々理由を並べてみたけど、僕が個人的に紙本で気に入ってる点はやっぱり、ページを捲る度に本の残りのページが少なくなるだろ?あれを見るとき、物語がどこまで進んだか何となく分かるあの瞬間が堪らなく好きだ。」

「俺もお前のそういう好きな分野になると饒舌になるマニア気質なところ嫌いじゃない。ハハッ!胡散臭い実業家が書いてる自己啓発本と同じくらい好きだぞ。」

「それって…最高に僕のこと嫌ってない?」


「…止まれ、犯罪者共。」

「うおっ、看守…?まだ居たのか。」ピタッ

「馬鹿が、よく見ろ。看守の制服の中に囚人服を着てる。」
「ハハッ!噂は予々(かねがね)聞いてるよ、玲羽少将…いや、レートA+:骸骨男(スクレット) 。泥棒猫、教祖との交戦時、上に無断で断片(フラグメント)を使用し2ヶ月の停職処分…」
「そして過去にはこの階層6の看守長として獄卒七階層(セット・アグザ)に所属。他に類を見ない面白い経歴だなお前。ハハッ!一目見て気に入ったよ。」

「…レート:SSS:溝鼠、何でそこまで詳細におれの事を知っている?」

「ハハッ!お前の同郷のやばんちゃん(よしみ)から聞いたよ。喉元にこの鍵を突き付けたらアイツ、ペラペラと喋ってくれたぜ、笑えるよなぁ。」

「…あいつか、あの人でなし野郎。俺が拘束されたあの日、俺の背中を銃弾でブチ抜いたのもあいつだよ。」

「…さて、玲羽"少将"。まぁ俺が国家権力(そっち)側で有名人なら俺が未来視のできる断片者(フラグメンター)なのはご承知の上だと思う。」
「交渉しよう、お前はここで俺達と会った事を"無かった事"にしてくれ。代わりに俺はお前に2つ"預言"を授けよう。悪い話じゃないだろ?」

「その答えは…これからお前が話す"預言"の内容次第だ。」

「ハハッ!いい返事を待ってるよ。ベタな台詞だが…」
「"良いニュース"と"悪いニュース"、どちらから聞きたい?」

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