真昼の迫真ランド

【SS】Requiem:channel / 157

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相原ガガ美 2022/02/06 (日) 23:26:06 修正

赫咽吸血(クリムゾン・ドリンク・バー)…!!」

不蝕膜頽衣(フルボディ)で自身の身体能力が強化されている場合、体内から放出できる赫咽吸血(クリムゾン・ドリンク・バー)容積(サイズ)や強度は必然的に倍増する。
そして広背の左右からコウモリの翼を形作った赫咽吸血(クリムゾン・ドリンク・バー)を突出させた時の己の姿はまさに両翼に翼の生えた"吸血鬼"その者であり、俺が吸血鬼という異名を持つ由来でもある。
できれば贋物の吸血鬼(カフェオレ)の方に見せてやりたかった姿だが、止むを得ない。

「…せ、せやったんか…吸血鬼の由来は…。血を吸う姿ちゃう、翼を広げた姿やったんか…。」

「フン、どうしたソゥメン?いつもの間抜け顔が消えてるぞ。怯えているのか?」
「怯えるべき時はこれからだというのに。」

赫咽吸血(クリムゾン・ドリンク・バー)の両翼が手と手が重なる様にソゥメンの全身を包み込む。

俺の仮説ではソゥメンの断片(フラグメント)の真の正体は『"刀身に触れた"あらゆる力の向きを反射する。
仮に断片(フラグメント)に制限が無くベクトルの操作が可能だとしたらわざわざ刀を通じて断片(フラグメント)を使用する理由がない。
何らかの理由で刀を通じてのみ断片(フラグメント)が作用するのだとしたら辻褄が合う。
そして、その仮説が正しいとしてソゥメンに攻撃できる手段はこれらの3つに絞られる。
1.同じタイミングで且つ全方位から攻撃
2.意識外からの攻撃
3.ソゥメンの断片(フラグメント)に干渉しない断片(フラグメント)による攻撃

そして今360°赫咽吸血(クリムゾン・ドリンク・バー)によって全身を包み込まれたソゥメンは迎撃が追いつく訳もなく、為す術もなく全身の血液を吸われ今頃即身仏(ミイラ)

"陰侍影流(おんじえいりゅう)禊詑払瓮焚(けいいはらおうや)"

ソゥメンは間合いに入った周囲の赫咽吸血(クリムゾン・ドリンク・バー)を一閃で切り附していた。

「"ホーモォニキ"、推理勝負はアンタの勝ちやで。アンタの読み通りワイは刀身に触れた力だけを反射する断片(フラグメント)だったんや。」
「せやけどワイはわざと全方位の攻撃にも対処できるこの奥義を隠してたんや、何故かって?」
「ワイの弱点に気づいて勝利を確信し、自信満々に切った切り札切った頭容易(いともたやす)く叩き潰して、絶望させるのが好きやねん?どや?悪趣味やろ?」ニチャァ

「…理解できないな、悪党の俺でも。戦いにおいて相手の尊厳を踏み躙る愉悦という物は。」

「ワイらはその悪党ばっかを相手にしてるんやで?他人を害して平気な顔してるクズの連中や、こんな目に合っても、文句は言えんやろ。」
「ちゅう訳でこの勝負もレスバもワイの"勝ち"や。彡(゚)(゚)」


「あらぁ?本当の勝者を決めるのはまだ早いわよ?」

薄暗い漆黒の続く廊下のその奥からその声の主は現れた。

「…ヤテツ…!?どうして此処に来やがった!?」

「リファさんから緊急要請で呼ばれたのよ、リファさんとは長い付き合いだ・か・ら♡見捨てる訳には行かないじゃない〜♡」

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