真昼の迫真ランド

【SS】Requiem:channel / 150

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相原ガガ美 2022/01/28 (金) 18:03:15

「…ふぅ、セキュリティシステムの掌握も一段落着いたわ。」

「本当かリファさん!?予定より5分も早ぇじゃねーかッ!」

パノプティコン階層(フロア)6管理棟のモニタールーム、この一室からこの大監獄の(ゲート)(ケージ)の施錠、監視カメラや対断片者(MFT)ガスと云った警備システム。
何から何までも全てが今この瞬間、リファエル(この女)の掌の上で踊らされている時計仕掛けのブリキ同然だ。

「フフ、私の居た世界では納期直前に先方から仕様変更が告げられる事なんてザラでしたわ…。」
「だから納期は予め延ばしておくのが私の悪い癖でしてよ!ま、今はもう関係の無い話ですわ!おハーブ生えますわね。」

俺がこのリファエルという人物に対して“一体何者なのか?”という疑問が尽きたことは一切無い。
ただ数少ない確信として"この人は俺同じミンポケ出身である事"、そして"今は俺達(ショコラテリア)の同胞である事"だけは分かっている。
それだけでいい、俺達の繋がりは一つの目的が終われば明日は敵同士なんて事も珍しくない。
所謂ビジネスパートナーだ、深入りしない方が良好的に信頼を築ける事だってある。

「…ホーモォ?ボーっとしてどうしたのかしら?」

「あぁ、考え事だよ。計画もそろそろ大詰めだからな。」

心配する様に俺の顔を覗き込むリファエルの背で煌々と光るブルーライトの眩しいモニターの中に不穏な影が動くのを俺は見逃さなかった…。

「ここに誰か来る…それも2人だ、"2人だけ"だ。」

「敵襲ね、それじゃあ先ずは────」


「紅茶でも淹れようかしら。」

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