真昼の迫真ランド

【SS】Requiem:channel / 148

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相原ガガ美 2022/01/22 (土) 21:57:50

九龍月華会、ミーバネルチャ東部街(イーストシティ)を牛耳る泣く子も黙るギャングチーム。
その現頭目とされる人物、未来羽いろは、一般的なギャングの持つイメージの抗争や違法薬物の売買なんかとはとてもかけ離れており、例えれば好奇心が旺盛な子供の様で、社交的であり純粋で穢れが無い、そんな印象を持った。

「ところでさ、なっちは?風船は?ニャハハは?誰も来てないの?寂しいなぁ。」

「あっ、ふうせんさんなら私達と一緒にここに来てますよ!でも、私と同じ時間に出発してたのに…どこ言っちゃったんだろう…?」

「風船なら看守に捕まることはないんじゃないかなー⌣̈⃝何処かで虐殺(アソ)んでるよ✞多分ね。」
「灰菜ちゃんには悪いけど、僕は風船が来るまでもうちょっと待とうかな。荷物(ブツ)も風船が持ってきてると思うし。」

あの白眼坊主の男が看守達を血祭りにあげている光景は想像するだけでも寒気がした。

「そう、ですか…わかりました。それじゃ、いろさんも看守に気をつけてふうせんさんを待っていてくださいね!」

「うん、ありがとう❦灰菜ちゃんも気をつけて。それじゃあ僕はまた深い涅槃(眠り)に着こうかな…」

…あっ、そうだ。
私と同じようにこの世界に絶望して、私と同じように独り檻の中で哀しむあの女の子をこのまま見捨てる訳にはいかない。
せめて、この気持ちが例え他人任せな偽善でも
どうか、彼女の心が少しでも救われますように。

「あっ、最後に一ついいですか…!?」

「…?何かな?」

「向かいの独房の人の事、よろしくお願いします…っ!」

ああ(嗚呼)わかった(好的)。✎」

そう言って未来羽いろは「気軽に言ってくれるなよ」とでも言いたげに少し困ったような表情()含羞(はにか)んだ。

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