真昼の迫真ランド

【SS】Requiem:channel / 145

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相原ガガ美 2022/01/15 (土) 21:33:26 修正




私の名前は灰菜、あの日鼠の仮面を付けたミッキーという男に手を引かれて、そのまま得体の知れないショコラテリアという組織の一員になった。
そして今、ある目的の為にこの国の大監獄『パノプティコン』の占拠を目論んでいる。

「状況はどうだ?茗夢」

この人はホーモォ、見かけも言葉遣いもぶっきらぼうでおっかないけれど
本当はただ不器用なだけで、つい最近私とも打ち解けて彼の気が向いた時はお喋りの相手もしてくれる、優しい人。

「見ての通り…フロア6の管理棟を占拠、その担当の看守達を殲滅…君達の加勢によってね。」
「それよりさ、じゃーん。そこの女看守から掻っ払った看守服着てみたんだけど、似合う?」

看守の服に着替えて無邪気にはしゃぐこの女の人は茗夢遊戯。
人目も気にせずいきなり看守の服をくすねてコスプレを始める、ショコラテリアのメンバーにも引けを取らない変人だけど
彼女が今日、この脱獄騒ぎを手引きする未来をミッキーが見たと言うので今回の計画が始まった、何でもミッキーが言うには今回のキーパーソンは彼女らしい。

「あ〜〜〜死ぬ程似合ってる、似合い過ぎて吐き気がするな。オエーッ」

「ホーモォ、次は?」

この人は…風船、九龍月華会所属。
巷では有名な猟奇的殺人鬼らしい、正直この人とはあまり関わりたくない…。
白眼を剥いた坊主頭のその容姿からは何を考えているか解らないし、何を考えていても解りたくない。

「次か?えーと階層(フロア)4から5の看守長は始末しただろ?地上階の1から3は放置でいい、用事が無いからな。」

「それじゃ、この下、フロア7、は?」

「あぁやめとけ、ミッキー曰くこの下は『怪物の巣』らしい、俺達は飽くまで眠れる怪物を起こしにきた訳じゃないからな、無用な手出しはしない方が身の為だ。」
「とにかく、俺達がするべき事は『"リファさん"が来るまでここで待機』だ。分かったかお前ら。」

怪物の巣、それにはこの国の仕組んだ陰謀も絡んでいるらしくてミッキーには「絶対に行くな」と念を押された。

「はいっ、ホーモォさん。」
「うん、わかったよ。」

「ねぇねぇ、君達は私の気まぐれに便乗して何しにここに来たの?目的を教えてよ。」

「悪ィがテメーはもうお役御免の部外者なんだよ、さっさと失せろ、計画の邪魔だ。」

「あはっ、それくらい教えてくれたら協力してあげたかもしれないのに。冷たーい、泣いちゃいそう!」
「それじゃ、邪魔者の私はさっさと失礼するよ。精々がんばってねー、反社会勢力のみなさーん!」

「…ケッ、阿婆擦れ臭ぇ女がいなくなって清々するぜ。」

きっと今ホーモォは「テメーも反社会勢力だろうが」って思ってたよね、私分かるよ。
灰菜も今、ムカついてそう言いかけたから。

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