真昼の迫真ランド

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【SS】Requiem：channel / 142

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相原ガガ美 2022/01/08 (土) 21:20:53

―――
―――――…
『パノプティコン中央管理棟階層(フロア)6監視室』


壁面を覆い尽くすモニター群に暴徒と化した囚人達の乱痴気騒ぎが映し出されている。
それはそれは俗悪な光景で、出口を求めて階層を跋扈する不成者(ならずもの)の群体はまるで巣穴を壊されてパニックに陥る蟻の様で、失笑物のコメディーを観てるような気分にさせられた。

「…ふふ、囚人達の狂騒が始まった♪」

耐えられず思わず口にした。
パノプティコンの階層(フロア)は縦状に7つに隔たれており、中央の管理棟を囲む様に囚人達の監獄がドーナツ状に位置する。
階層(フロア)4より下の階層は地下に埋め込まれたような形で設計されている、地表に出ているフロアは上から1~3、これは囚人達の脱獄のリスクを軽減する為というのは建前で、国にとって後ろめたい所謂(いわゆる)機密事項を隠匿する為とうのが腹積(はらづ)もりだろう。
罪人達は犯した罪の重さによって階層毎によって振り分けられる、盗みはフロア1、人殺しはフロア5といった感じに。
だけどこれも半分建前、罪人が断片者(フラグメンター)である場合─────。

「勝手を振るう時間は終わりだ、茗夢遊戯。」

…噂の獄卒七階層(セット・アグザ)のお出ましか。

「勝手？勝手を振る舞えるのは強者の権利だよ。」

「勝手な事ほざいてんじゃねーェ！クソ詐欺師女が！」

「雷電(ライデン)看守長、奴のペースに乗るな、これも奴のお得意の心理攻撃だろう。」

「あぁ…悪ィな、"痺れ"を切らしちまってな。」

「雷電看守長、ポッテ看守長、無駄話もそこまでに。私達の使命は茗夢遊戯の拘束…。作戦通りにうごっ…！？」

看守達の隙を突いて冷静そうな看守の女の頬に得物(ナイフ)を突き刺す。

「…はる！？茗夢お前いつの間に…ッ！？」

「ごぼっ…ごぼがあ"い"え"…」

ついさっきまでの冷静を気取る生真面目な看守の女の顔が、涙目で命乞いをする弱者の顔に一転する。
こういう瞬間、いつもゾクゾクするよ。

「ほら、(Voilà. )"笑って(Souriez)"！」ｸﾞﾁｬｧ

得物(ナイフ)でグチャグチャに切り裂かれたその看守の女の口は見事に破顔(わら)っているように見える。
女はそのまま一度も口を開く事もなくショックで絶命した。

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