「…終わりか?」
「ハハッ!おしまい(チャンチャン♪)だ。」
「そうか。」
「
「ひぃっ!?」
俺は咄嗟に灰菜と呼ばれた少女へ銃口を向けた。
あぁ嘘だ…作り話だ、きっとこのネズ公が咄嗟に思いついた冗談だ。
何故なら俺はこの国の建国以前、約7年前から天賦の才の百発百中の狙撃手の腕を買われて、未成年者としては異例だがミーバネルチャ正規軍に所属していた。
もしこの御伽噺の様な出来事があったのなら、仮令に編成された小隊として俺も駆り出されるか、少なくとも俺の耳には届くか…いずれであるはずだ。
「アンタにはこの意味がわかるだろ?今すぐ真実を話せ、スターチスの本当の居場所は何処だ。」
「この子の脳髄が俺の
「まぁそう事を急ぐなよ…野蛮坊や。実はこの昔話には続きがある。」
「まだそうやってつまらない冗談を並べ立てる気か…?」
『その後、孤児院に預けられた鍵の異能を持った孤児の亡骸は育ての親である孤児院の主である神父によって埋葬された─────はずだった。』
「もうウンザリだ、アンタのくだらねぇ
『ある日、神父は嬉々とした様子で未来視の孤児の元へ来てこう言った"喜んでくれ。君のお友達が、スターチスが蘇ったんだ!"、もちろん未来視の異能の孤児はとても喜んだ。』
『神父に連れられ孤児院の食卓を囲うテーブルのある間へと急いだ、"あのスターチスが生き返った!"未来視の異能の孤児は色めき立つ思いを隠せず舞い上がる様な気分でいた。』
「どうやらアンタはよっぽどの妄想家らしい、俺が今から目を醒まさせてやる。5.4.3.2…」
『だが、そこには───────。』
俺は女は殺さない主義だった。いや、撃てないと言った方が正しい。
それがこうも華奢で容姿端麗で、健気で大人しい雰囲気の少女が怯えているとなると尚更だ。
敢えて急所を外して撃って、それから目の前の男をじわじわと尋問する気でいた。
しかし、俺の銃口から弾丸が放たれる事はなかった。
銃身の上から半分が俺の目でも追い切れない速度で銀色の蛇の様にしなる"ナニか"に真っ二つにされていた。
『────スターチスはどこにもいやしなかった、ただそこのテーブルの上にあったのは奇妙な形をした鍵だった。形状も大きさも自由自在に操れる、まるで魔法の鍵だ。』
『神父は改めて言った"喜んでくれ。君のお友達が、
私の実験によって…"』
『"蘇ったんだ。"』
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