真昼の迫真ランド

【SS】Requiem:channel / 133

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相原ガガ美 2021/12/05 (日) 22:17:27 修正

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「それはこの国が独立を成し得るよりも昔、かつて植民地だったミーバネルチャと対立する国家、旧ミバーキャンと旧ミバネ王国と国境を跨ぐ此処、現西部街(ウェストシティ)に当たる土地に1つの孤児院があった。」

「それは戦禍の最中、貧しく困窮を極めた家庭から何らかの理由で爪弾きにされた孤児達を預かる慈善活動家の施設。その中には数十名の孤児が預けられていた。」

「戦火が激しさを増す中、その施設の中では不思議なことに奇妙な能力に目覚める子供達が現れ始めた、今でいう断片者(フラグメンター)だ。」

「その力に目覚めた子供達は残酷な事に類にも漏れずその力を持たない同じ孤児達から仲間外れにされた、しかし、次第に仲間外れにされた子供の数は増えていき彼らは意気投合し、やがてそれは一つの群れとなった。その名も乂威慈都(ガイジーズ)。」

「彼らは仲間外れにした孤児達へ報復した、少し懲らしめてやる程度に、その異能によって。彼らはそれを契機(キッカケ)"弱きを助け、強きを挫く"信念(モットー)にして、孤児院の外で戦禍の中でのさばる悪党達を成敗する"義賊ごっこ"を始めた。」

「ある者は未来を見通す力を、ある者は地形を自在に操る力を、ある者はあらゆる"鍵"を無から産み出す力を────、多種多様な異能を持った彼らが無能力者の悪党達を蹴散らすのは容易いことだった。やがて乂威慈都(ガイジーズ)の名は世間の間に広く知れ渡る様になった。」

「それで調子づいたのかある日、乂威慈都(ガイジーズ)は"ミーバネルチャという歪な国が抱える腐敗を彼らの手で白日の下に晒そう"と考えた、敵国との間には圧倒的な戦力の差があるにも関わらず各地で不自然な勝利を収めていたこの国には何らかの陰謀が必ず渦巻いていると、そう考えていた。」

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