真昼の迫真ランド

【SS】Requiem:channel / 130

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相原ガガ美 2021/11/24 (水) 00:17:58 修正

「はいはーい、私よ。アザミと共謀して電波ジャックを手伝ったのは私。」

そう言って気怠げそうに手を挙げたのは九龍月華会の構成員と思われる不細工な女だった。
デロンデロンと弛む腹部の脂肪が今にもスツールからはみ出せうで、髪もろくにトリートメントをしていないのであろうボサボサで毛ジラミの巣窟になっていることは想像に難く無い、基本的に(かわいい)女の子は誰でもウェルカムのやばんちゃんでも出来ればお近づきになりたくないタイプの女だ。

「ボスが『アザミの目指す世界の方が僕たちにとって都合が良い』って言うから、私の断片(フラグメント)Greedy_grubby _government_grace_guilt.( 5G(卑しく穢れた政治家の優美な罪))で国中のテレビ系統の電波を傍受して、代わりにあの教祖のイカれたスナッフフィルム演説を流したのも私よ。」

「ハハッ!そういう事だろうとは思っていたが…あの電波ジャックには教祖のもう一つの目論見があったんだろう?なぁ、東郷・シチョーシャ・ニャハハ

「えぇ、恐らくはね。あの電波ジャック以降、それに"共鳴"する様に国中で今まで身を潜めていた野良断片者(フラグメンター)が姿を現し始めた。そして私達のボスもあの放送を見て錯乱した様に街で大暴れよ。」
「つまり、あの電波ジャックには私の断片(フラグメント)の他にも誰かしらの断片(フラグメント)の手が加わって、各地の野良断片者(フラグメンター)達の断片(フラグメント)を呼び覚まさせた…っていうことじゃないかしらね。」

「ハハッ!電波ジャックの茗夢の真の狙いはそれだ、『各地に潜在する断片(フラグメント)を呼び覚まさせ、その能力を活発化させる。』

奴等も革命の真の思惑に気づいたか…いや、"今更気づいた"と言うべきか。

「それが茗夢の本命だ、革命もその宣戦布告も"彼奴等(アイツら)"にとっては目的でも手段でも無い、単なる過程だ。」
「お前らのボスももう少し早くそのキナ臭い陰謀に感づいていれば、このハリボテの国の黒幕(フィクサー)の掌の上で踊らせる事もなかっただろうに、気早(せっかち)が災いしたな。」

『溝鼠』は知り過ぎた、これ以上生かしておけば"上層部"の描く筋書き(シナリオ)の大きな障壁になるに違いない。
しかし、この日俺に下された指令(ミッション)は『スターチス・プリエラ=シィエロシューズ』の抹殺で、『不安因子の一掃』は指令一項に記載されていない。
Shit(クソッ)asshole(クソッ)fucking(クソが)!こうしちゃあいられねぇ。
短兵急に耳に装着していた公安式小型無線機の電源を入れたその時だった。

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