ミバなど

【SS】Requiem:channel / 128

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相原ガガ美 2021/11/23 (火) 21:49:08 修正




"弁護士"から拝借した情報を元に辿り着いた地点(ポイント)────。


西部街(ウェストシティ)骸区6丁目、見渡す限りそこにはかつての住民達の営みがあった痕跡だけが残るばかり。
弁護士の情報によるとこの廃墟群の何処かでショコラテリアと九龍月華会との間で会合が行われる、らしいが
如何せんその情報源が身分も知れない自称弁護士で、その弁護士がこの街で聞いたという風の噂なモンだから眉唾に等しい。

「だが…試してみる価値はある…。」

"神々の義眼(ワイルド・スコープ)"

俺の脳内が半径30kmに存在する物体の情報を基に構築された空間情報のホログラムで埋め尽くされる。
神々の義眼(ワイルド・スコープ)、この断片(フラグメント)正体(タネ)はざっくり説明すれば『異常なまでに発達した空間認識能力』なのだが
その神々の義眼(ワイルド・スコープ)は今まさに20km北北西の廃墟の一室で剣呑な様子で喋くるレートSSSの男の姿を捉えた。

さて、この標的(ターゲット)をどう料理してやろうか。
俺は万が一の交戦時に備え、尚且つイカれたギャング達に悟られぬ様潜伏する為に身軽な軽装備で標的の佇む廃墟へ接近することにした。
廃墟群の遮蔽物を隠れ蓑にし、鼻がヒン曲がる程の殺意と狂気の腐臭を放つギャング達が待ち構える廃墟へ着々と匍匐前進で接近する。

「…ハハッ!俺は嘘は吐かない!」

件の会合の会話が聞こえる地点にまで接近できた。
俺と標的の溝鼠を隔てる壁は隣接する青天井の廃墟の朽ちた壁が2枚、直線距離でおよそ7m
会合の卓を取り囲むのは九龍月華会の構成員と思われる男が2人、肥えた醜女(ブス)が1人。
次にショコラテリアの構成員にしてその首魁とされる溝鼠、その側近と見られる男、そしてどう見ても場違いな白いワンピースを着た華奢な少女が1人─────。

死と隣り合わせのこの瞬間、そして想定外(イレギュラー)な少女の存在のニュアンスも少し含んでドクンドクンと脈打つ心拍音が頭の中まで轟いている。

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