真昼の迫真ランド

【SS】Requiem:channel / 118

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相原ガガ美 2021/10/19 (火) 22:25:26 修正

「……生きてる…?おい…これって大水木の…」

「えっ、違っ…これは…」

「……これはミッキー…いやっ!スターチス様断片(フラグメント)ッ!?」

鍵束で胴体を貫かれた教祖が応える。

「嘘……そんな…だって、あの人は…でも…この断片(フラグメント)は間違いなく………」

突如胴体を貫いた正体不明の断片(フラグメント)に茗夢は初めて狼狽える。
しかし、口振りから察するに茗夢はその断片(フラグメント)の主の正体を知っている様でもあった。

「アハハッ!アハッ!最高じゃん!こんな展開誰が予測できた!?良い…良い!この渾沌(カオス)、全てが狂おしく愛おしい世界…!!アハッ、アハハ!!!」

教祖は我を忘れたように狂乱する。
教祖の腹に空けられた"鍵穴"が既に完全に再生しきった頃だった。

「ハァ…ハァ…茗夢(チャム)!!」

その声の主は先程おれが瀕死まで追い詰めた夜宵エマだった。

「あっ、エマちゃん。まだ生きてたんだね。」

「そうだよ…!私…さっきはそこの玲羽(もやし男)に負けて…今も死にそうだけど…。」
「少しでも茗夢の力になりたいって思ったからここまで来たのっ!だからお願い!私を褒めてっ!茗夢!」

「そうだね、誰かの為に動くことは立派なこと。それは偉いよ、けどねエマちゃん。」
「どれだけ善い事を積み重ねようと、一度道を踏み外した幼猫には、必ず誅罰(ツケ)が回ってくるんだよ。」

「えっ…」

泥棒猫が困惑の表情を浮かべ茗夢に歩み寄ろうとした直後だった。
何処からともなく放たれた弾丸が、泥棒猫の胸元を撃ち抜いた。


「茶番は終わりだ罪人諸君、全員そこから一歩も動くなッ!!」

その場にいた全員がその声の上方を見遣る。
それは商業ビルの屋上に悠然と立つ元上官、そして現在は公安対断課の1人。
レミート・フィクスフリットだった。

「ようやくご登場って訳か、公安対断課…!!」

「れ、クソアマ(レミート)元上官…!?」

「革命以来だな、玲羽准将。いや、今は少将だったか。しかし残念だが今となってはそんな事はどうでも良い。」
「我々公安対断課Ⅲ班はこれよりレートA:泥棒猫、レートSS:教祖…」


「そして、推定レートA+:骸骨男(スクレット)の捕縛を開始する──。」

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