ミバなど

【SS】Requiem:channel / 106

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ちゃむがめ 2021/09/11 (土) 22:52:05 修正

海斗はすぐさまベランダの手摺りを飛び越えて大水木の救助に向かう。
「何とかする」とは言ったものの加勢が来るまでおれにできることはせいぜいほんの少しの時間稼ぎ程度だ。

「このクソメンヘラが!!いきなり何しやがんだテメェ!!」

「先に手を出してきたのはそっちじゃん、被害者ぶらないでほしいんですけど。」

「大体お前が未成年の分際で酒やタバコ、果てはクスリにまで手を出さなきゃこうはならなかったんだけどな。」

「…うるっさい……なァ!!!」

泥棒猫は短気な様でそう言い放つなり俺の顔面目掛けて拳を繰り出す。
おれは前屈みで倒れる様にその拳を避けて泥棒猫の左右の二の腕を掴んで壁に胴を叩き付け、取り抑える。
あの時おれと大水木を殺しかけたピンク色の粒子砲に比べりゃトロいもんだった。

「最初から神妙にお縄に付けってんだ、クソ(アマ)…。」

「そんな非力な腕力で…私を押さえ付けられると思ってる?」

おれの油断の隙を見計らったように泥棒猫の膝蹴りが脇腹に直撃する。

「〜〜〜〜〜〜〜ッ!?」

内臓をハンマーで叩きつけられた様な、そう形容するのも大袈裟じゃないくらいの痛みに思わず顔が歪む。
その痛みも束の間おれの身体はさっきの大水木よろしくベランダの外へ投げ出されていた。

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