ミバなど

【SS】Requiem:channel / 102

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ちゃむがめ 2021/08/28 (土) 20:34:12 修正

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画像1

『ホンバラ・ハミダラス』、店名の由来もサッパリなその店は地下にあるようで長時間のドライブで疲れた体を仕方無く動かすようにおれ達は地下の入り口へと続く階段を下る。
入口を開けると来客を知らせる鐘が鳴り響き奥に肘をついて一息ついていた店主がはっとしたようにおれ達のもとへ駆け寄る。
その風貌は清潔感のない雑に処理をしたと見られる顎髭の生えてハーフ系の顔立ちをし、濃い紫のジャケットを羽織りぱつっとしたジーンズを履いた如何にも"オカマ"な店主でおれ達は「ウゲぇーっ」と顔を歪めるのをグッと我慢した。

「あらいらっしゃい!3名様かしら?」

「…管理局員です、あなたが店主の永井哲也さんですね。お宅に在籍している夜宵エマさんについてお伺いしたいのですが」

「あら…まためんどくさい疫病神が来たものね。その子のことならね、先月の22日に"教祖サマ"がこの店に来て同伴指名してから出勤してないわ。きっと殺されたか洗脳されて来なくなったのよ…。いい子だったからあの子の顔が見れなくなってからアタシも寂しいわ…。陰口の一つや二つ言えばどこかからすっ飛んでくるかしら。」

「…なるほど、ところで入口の脇に『教会関係者はお断り』と堂々と注意書きがありましたが、教祖である茗夢遊戯を追い出さなかった理由(ワケ)を尋ねても?」

「…誘導尋問ね、そのくらい判っている癖にイジワルね管理局員さん、答えは『カネ』よ。」
「見ての通りこの店は閑古長が鳴く潰れかけのGirl'sbarよ、教祖は1000€のゲンナマを置いてエマちゃんを同伴指名したわ。アタシがエマちゃんの顔を見たのはそれが最後。アタシはもう『金の亡者』なり『キモい顔』なり『イキルカチガナイ』なり罵声を浴びせられても文句の1つも言えないところまで堕ちた人間よ、好きにして頂戴。」

「いえ、情報提供感謝します、"ヤテツガナイ・リサ"さん。それと差し支えなければ夜宵エマの連絡先と住所を教えて頂けないでしょうか。」

「あら?意外と気遣いの出来るイイ男じゃない♡、一目見たときからかわいい顔してると思ったのよ♡、アンタのお名前と連絡先と交換条件なら全然構わないわ♪」

「え!?あ…ハイ…わかりました…。今日はご協力ありがとうゴザイマシタ…。」

「またのご来店楽しみにしてるわ♡」


…おれはその時二度とこの店には足を踏み入れないと心の中で密かに誓った。

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