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知佳の美貌録 更新情報 / 93

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知佳 2023/12/02 (土) 14:14:24 6aecc@909a7

廃屋をバーに仕立てるついでに拵えた、漢を連れ込むための部屋

 「あら~浜ちゃん、きれいげになったねえ」 間延びしたような声の主はバー白鳥のママ、美代子。 時刻はもう10時を回っている。 が、布団を干し始めたところを見ると、今しがた起きてきたようだ。

 きれいになった……とは、浜田のことではなく、美代子ママ宅の背後にあった廃屋を指してである。 夕暮れの岸壁に佇む女の門脇商店のアパートを、ゆえあって追い出された浜田が、時間と私財を投げうって廃屋を今風に、言えばリフォームし始めていたからだ。 なにせその家というのが、雨は漏るわ床は抜けるわで、まともなのは辛うじて傾かず立っている柱のみ。 浜田は雨漏りはボンドとペンキを交互に塗って塞ぎ、床は3重に合板を張り合わせ塞いだ。

 問題は内壁で、立っているとはいえ柱が本土の田舎の田圃で使う杉の丸太 (直径が10センチにも満たない程度のもの) が使われており、内壁を釘止めしようにも相手が腐り始めていて上手くいかない。 それを、徹底的に拾って来た板切れで筋交いを入れ補強することで、なんとか持たせ、更に薄っぺらな合板を釘で止め、その上に見た目も鮮やかな壁紙を貼って一見すると左の写真にあるような家に見えるよう誤魔化した。 それが如何にもきれいに見えたようなのだ。

 浜田がこうまでしてここに棲みつこうとしたのには訳がある。 加奈子がしばらくの間逗留させてもらっていた、あの料亭の花子と宴会が引けてから関係を持ち、たった一夜のことなのにお土産を頂いてしまい、汚らしいと半ば強制的に追い出されてしまったからだ。
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