知佳
2023/12/01 (金) 19:46:00
5aaba@909a7
若い漢を母娘で共有
若かりし頃、中州でずいぶん浮名を流した美人ママが、ゆえあって比田勝に流れ着いていた。 彼女の欠点は数々あった。 中州でも指折りであったろうと思われるほどの美人ながら、白鳥の経営はそれほどでもなかった。 その苦しい生活の中にあって、実に可愛らしい女の子を、彼女なりに育てていた。当時、そういった生活の不足分を彼女は漢を囲うことで埋めていた。 囲うのだから、益々生活費に苦慮すると思いきや、飯をただで食わす代わりに、なんやかやと理由をつけては囲った漢に借金を申し込むのだ。
つまり、表向きは囲う風に見せかけ、その実上下の口で食い物にしていた。 中州がそうなら生まれてこの方、ちやほやされて生きてきたものだから金銭感覚がとんと疎い。 店では自分も一緒になって呑み食いし、勘定時になると酔いつぶれてそろばんが弾けない。 儲かったのか、はたまた損してるのか、判断がつかない。 そこで足りない分を、妾さんに一宿一飯の恩義とかなんとか言い立てて、借金を申し込むのだ。
彼女の悪癖はもうお気づきの通り、相手が誰だろうが火が点くと見境なしになる。 例えば冬場、対馬は磯は大グレ、沖では寒ブリのシーズンに入る。 この時期に限って太公望が対馬に集結する。 その中に岡でも海でも釣り糸を垂らしたい野郎が比田勝に上陸した。
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