知佳
2023/10/14 (土) 18:33:23
b4666@909a7
何処かで見かけた哀愁の漂う女
荒波に向かって佇む女 佐川隼人はもう幾日も繁華街の裏通りにある一杯飲み屋に通い詰めていた。
(う~ん、思い出せない。 確かに何処かで見かけた女なんだがなあ)
20代前半の隼人にとってこの店はもちろん馴染みではない。 会社の同僚に誘われ、たまたまカウンター越しに相手をしてくれたのが彼女だった。
この日も同僚の金森翔太に誘われるがままこの一杯飲み屋の暖簾をくぐったというわけだ。
一杯飲み屋というだけあって店の広さはまるでスタンドバー、カウンターの後ろに4人掛けのテーブル席が2組あるだけの小さな店だ。
その店を恐らく夫婦と思えるふたりで切り盛りしていた。 隼人がこの店に出入りし始めてこの日でもう5度目になる。
こういった店によくある何処かのデパートで仕入れてきた総菜を違う雰囲気の皿に盛って出す。 そういったやり口に加え恐らく自宅で仕込んできたであろうと思える家庭料理をもふるまってくれるのが気に入ってすっかり常連になりつつあった。
https://letsgochika.jp/blog-entry-19626.html
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