知佳
2024/04/03 (水) 17:05:54
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四畳半での謝礼 ~漢をその道のナンバーワンにすべく貢ぐ~
慎悟は音羽を、下にも置かない扱いをしてきた。 つまり音羽にとって業界のしきたりにのっとった扱いは珍しくて仕方がなかった。彼女は自分がいいように利用されていると分かっていながら財布のひもを緩めて来た。 お金が無くなると、いつぞやのパーティーで声をかけて来たような漢たちの慰み者になり貯め…を繰り返した。
表面上小奇麗に化粧してはいるが、中身はボロボロだった。 それでもいいと思って来た。 漢がそれを求め続けてくれるなら。 ほんの一瞬であっても、これまで一度だって見たことのない夢を見せてくれるなら。
女とは不思議な生き物で、一夜だけの契りであっても、自分がこれまで歩んできた人生の中で最高と思える瞬間を迎えられたならその時間、その夢の中で戯れていられる。
業界の漢どもは、女をバシタに仕立て上げることに長けていた。
彼ら、殊に最初に声をかけてくれた、妻の座から追い落としてくれた漢は音羽の、また別の意味での人生を彩ってくれた。
出すのは確かに音羽一辺倒ではあったけれど、夫が決して買ってくれなかった品々を買い、泊まったことのない艶っぽいホテルに誘い込み、何かにつけて記念日と称しプレゼントも渡してくれた。
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