知佳
2024/03/24 (日) 17:17:22
80235@909a7
四畳半での謝礼 ~偶然を装い近づく世話焼きおばちゃんたち~
「ちょっとお、哲ちゃんに任せると、まるでリフォームね」 「そうそう、あの子はとにかく凝るんだからあ」 若い哲也に近づきたいものだから、言葉からして相当盛る。 廃材を利用して作ったものが、業者にかなうはずない。 彼女らが誉める理由は、また別のところにある。気に入られるようになると、身に着けるもの一枚にしろ、みんなおばちゃんたちが見立て、まるで着せ替え人形のように取っ替え引っ替え着せてみたりした。
女性が相手だと、こういったヤリ方を繰り返せば、勘違いし深い関係になったりする。 だが、このやり方は今の哲也には通用しなかった。
ふたりの女性、特に最初に親身になって身の回りの世話を焼いてくれたナースの美香がやった、それと同じことをやるのは、逆効果だった。
女性は一見恋を夢見ているようで、その実現実的。 それに比べ男性は、どちらかというとロマンチストだ。
美香を部屋まで送っていった日、彼女は病んでいたとはいえ哲也の行動に制限を設けなかった。 哲也さえその気になれば、お礼に許したかもしれない。 が、哲也は美香から直接的な態度なり言葉なりで誘ってもらわない限り、そうはなれなかった。
ロマンチスト…いや、どちらかといえばおくてだからだ。 その点女性は、特におばちゃんと呼ばれるようになると違う。
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