知佳
2024/02/18 (日) 07:16:57
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官能小説 『ありさ USJ に行こう』 第3話 Shyrock作
たこ焼き屋を出たあと、阪急東通り商店街を横目に見ながら隣町の堂山町へと向かった。 7月とは言っても陽が沈み夜風が吹くと少しは凌ぎやすくなる。「ありさちゃん、肩の出た服だからちょっと涼しいのでは?」
「ありがとう。大丈夫よ~」
ありさは、いつのまにか僕の腕に縋りつくようにして歩いている。
東京や横浜ならともかく、大阪なら友人に会うおそれもなく、つい大胆になってしまうのだろう。
「ねえ、Shyさん?」
「なに?」
「ありさ、すっごく嬉しい~♪Shyさんにやっと会えて……」
「僕もだよ」
「ほんと?」
「もちろんだとも」
「でも、Shyさん、他に好きな人いるんでしょ?」
「……」
「あっ、ちょっと拙いこと聞いたかな?Shyさんってプライベートな話題に触れられるのが嫌いだったよね?ネットでもリアルでも……」
「ありさちゃんのこと大好きだよ。とても可愛いもの」
「え?ホント?嬉しいなあ~~~」
僕たちはまるで旧来の恋人同士のように寄り添いながら、いつしか繁華街の闇の中に溶け込んで行った。
飲食店が混在する雑居ビルの地下に時々訪れるバーがある。
コンクリート打放しのシンプルなデザインの店内は、無機的ではあるがゆったり寛げる落ち着いた雰囲気が漂っている。
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