知佳
2024/02/15 (木) 16:32:45
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年下の彼が、この上なく好きなオンナ
「汗かいてるわね」 そう言いながら、思わせ振りに笑う付き合ったばかりの彼女の母を、信太はひとりの女として見始めていた。 残るは恋人であろうはずの楓との関係だ。「あっ あっ あっ ……ちょっと、ちょっと…」
もうここまで来たら、覚悟を決めてサッサと始めちゃいましょうとでも言いたそうな態度に出てくる信太の立場から言えば義母と、世間一般そうなってはまずいじゃないですかと言わんばかりに距離をとろうとするが、
「フフフ、ナニ照れてるの」
娘が消えたとこで度胸を決め、彼の頬を指先で突つき、躰を摺り寄せ迫る敦子。
「ねえ、もう一度訊くけど、楓とはホントに何もなかったのよね」
夢にまで見た成人に達したイケメンを、この躰で迎え入れるチャンスが巡って来たことへの興奮で敦子は、それはもう有頂天になっていた。 信太から見ても、可愛らしいオンナに変身し始めていた。
よく言う、箸が転んでもおかしい年頃とはこういった状態を言うのかと、その時信太は思った。
目や髪形を見つめ、腕の浮き上がった筋肉をつまんだり撫で回したりしながら、やっと手に入れることが出来た…と感じた信太に触れられたことで、あの、漢日照りに悩まされた日々など、忘れたかのように明るく笑った。 そして迫った。
その距離たるや、とっくに他人同士のソレを飛び越え、熱い吐息を直に感じることが出来るほどに。 恋人同士のソレに匹敵するほどに距離を詰め始めた。
もしもここで、いかがわしい想いに駆られたどちらかが一方的に唇を求めたとしても、相手側は躱しきれないと思えるほど距離は近づいていた。
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