知佳
2024/02/05 (月) 07:08:32
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長編官能小説 『加奈子 悪夢の証書』 第9話 Shyrock作
水は放物線を描き飛散し、まもなくその勢いは衰えていった。「へえ~、なんとまあ、えらいようけ潮吹きましたなあ、奥さん。畳がびしょびしょに濡れてしもたがなあ。おい、園木、雑巾や、雑巾!」
突然雑巾といわれても、他人の家の勝手など分かるはずがない。
園木はキョロキョロと辺りを探したが見当たらない。
布巾や雑巾は台所に行けばだいたいあるはずだ。
即座にそれが思いつかなかった園木は、どこからか新聞紙を見つけてきて、飛散した場所に敷いた。
「奥さん、えらい派手に潮吹きはったなあ。がははははは~~~!以前から旦那はんに擦ってもろてしょっちゅう吹いてはったんか?」
「そんなことありません!」
「そんなむきにならんでもええのに。がはははははは~~~」
加奈子は自分が潮を吹く体質であることは以前から知っていた。
ただし、結婚してからと言うもの、夫の指によって潮を吹かされたことは一度もなく、かつて女子大生だった頃、当時付き合っていた彼氏に自分が潮吹きであることを身をもって教えられた経験がある。
それから10年が経ち、あろうことか突然押し掛けてきた見知らぬ男性に、肉体の秘密を発見されてしまうことになるとは・・・。
加奈子はとても口惜しかった。亡き夫にも見せたことのない痴態を、薄汚れた男たちの前で晒してしまったことが。
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