知佳
2024/01/30 (火) 11:18:28
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長編官能小説 『加奈子 悪夢の証書』 第3話 Shyrock作
加奈子は見る見るうちに青ざめていった。 それもそのはず、契約書の第6条に、夫が契約に違反すれば加奈子を相手方に30日間任せると言う無理非道な記載があった。 しかし、それはあくまで夫が契約に違反していたら、の話ではあったが。加奈子は声を詰まらせながら阿久原に尋ねた。
「こ、この契約書、本当に夫がサインしたのですか?」
「これは異なことをおしゃる。まるで、私らが勝手に契約書をねつ造したみたいに聞こえますがな。」
「いいえ、決してそんな意味で言ったのでは・・・」
「そないに聞こえましたけどなあ。契約書にはちゃんとご主人が自分で実印を押してはったし、おまけに印鑑証明ももろてますんやで。」
阿久原はそう言って加奈子をじろりと見た。
「私もあんまりきついこと言いたないんですけどねえ。ご主人を亡くしはってまだ間ぁないし、ご主人の借金のこと聞いて、奥さんも気が動転したはるやろしなあ。
せやけどこっちも商売ですし、ちゃんと伝えとかんとあきまへんからなあ。ごほん。で、借金の件ですけど、ご主人は今年の4月以降1円も返済してくれたはれへんのやけど、奥さん、これ、どないしはるつもりですねん?」
「えっ!返済が滞っているのですか!?」
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