知佳
2024/01/19 (金) 08:37:47
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伝説官能ホラー 『亜理紗 雪むすめ』 第2話 Shyrock作
『美少女亜理紗』「なるほど……そうなんですか。とても切ない話ですね」
そして静かな口調でつぶやいた。
「今日から10日間宿泊させていただきますのでよろしくお願いします。改めて詳しく聞かせてくださいね」
「はい、よろしゅうございます。今日はお疲れでしょうから、温泉にでも浸かってゆっくりされるのがよろしいかと思います」
「ええ、そうさせてもらいます」
「ではまた後ほど参りますので。ごゆっくり……」
女将が部屋を出て行った後、急いで鞄からスマートフォンを取り出し女将の話を一心不乱に記録した。
記録が一段落した俊介は広縁の椅子に腰をかけ、窓から外の景色を眺めながらゆっくりとビールを飲んだ。
外ではしんしんと粉雪が舞い、まるで真綿のように美しい。
こんな大雪を間近で見るのは数年前にスノーボードで行った白馬八方尾根以来だ、と感慨深げに雪景色を見惚れていた。
俊介はコップのビールを飲み干すと、思い立ったかのように突然ムートンコートを羽織った。
それにしてもすごい雪だ。豪雪の苦労や大変さを知らない俊介にとっては、その光景は幻想的で美しいものとして映った。
幼い日、新潟とは比べ物にならないが東京にも雪が降った。
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