知佳
2024/01/06 (土) 11:19:19
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完全に寝落ちした知佳は…
寝入ってすぐに知佳は夢を見た。 夢の中でも、彼女はバスに乗っていた。 (なんだってこんな面白くない夢を見るんだろう? 筋書だって知佳のへたくそな筋書そのままじゃないか)それが夢であるとわかったのは、あんなに眠かったはずなのに、今は少しも眠くないからだ。 それに、以前にもこんな風に、夢だとわかる夢を見たことがある。 やはりその日も疲れていたのではなかろうか。
と、目の前に独りの漢が立った。
見上げたが、頭のところがぼんやりして、輪郭すら定かではなかった。 けれど、夢の中の知佳は、その漢が半年前まで一緒の職場にいた、あの変な別れ方をした、周囲の人たちに言わせれば恋人と呼べる漢ではなかったと気が付いた。
―— なによ、今更。 ヨリを戻すつもりなの!?
知佳なりに憤って告げても、漢は何も答えない。 またあの時のように、馬鹿にされているようで、無性に腹が立った。
あの時は彼の方から確か別れようと、告げてきたのだ。 しかも知佳だけに言うならともかく、仲間の前で堂々と知佳がやら貸したことをしゃべった。 漢らしくないそのやり方に、知佳こそ怒り心頭で、彼からもらったものは親譲りの高価な指輪以外、まとめてごみとして捨てた。
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