知佳
2023/12/20 (水) 15:16:48
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まりあ 19番ホール Shyrock作
第9話 ただし動きはまるでスローモーションを見ているかのようにゆるやかだ。 しかし着実にまりあの最も鋭敏な花芯へと向かっている。 指の腹を内股にピッタリと密着させて円周を描きながら近づいている。 その焦れったさがゆえに、女の期待感を一段と高めていく。 指を通して車本の体温がまりあの身体へと伝わって来る。(なぁに?この充足感は……どうしてなの……?)
まだ愛撫が始まったばかりではないか。
協奏曲に例えるなら、まだ序曲を奏で始めたばかりだ。
それなのに、どうしてこんなに満ち足りた心地のさせるだろうか。
まりあの脳裏にふとそんな想いがよぎった。
結婚以来、夫に対してこんな気分になったことが一度でもあっただろうか。
毎晩残業で帰りが遅く、たまに抱かれることがあっても、判で押したような機械的なセックス。
愛の言葉をささやかれることもなく、決まりきった手順で、形だけの愛撫といきなりの挿入。
結合はあっても、夫の欲望は短時間で潰え、即座に眠りに就いてしまう。
まりあはそんな慣例的な夫婦関係に一抹の寂しさを感じていたことも事実だが、いつしか自身の心にポッカリと空洞が開き始めていることに気がつかなかった。
てのひらが小高い丘陵地帯を慈しむように旋回した。
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