札学心理学

22裁判心理学 / 103

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「意見」
「「自分にとってより不利になることを隠そうとするはずだ」「事件の核心的な部分が隠されるはずだ」などを基準にしている」について、人は自分の利益を最大化しようとするものだと思う。あるいは、自分の置かれている環境が自分を脅かすリスクを最小化する。共犯者がいるときに取り調べには囚人のジレンマという方法がある。囚人のジレンマとは、犯罪を共謀した2人が刑務所に収監され、お互いに状況を疎通できないことをいう。二人とも告発しなければ、証拠が不確定なため、一年ずつ刑務所に入ることになる。もし一人が告発し、もう一人が黙秘すれば、告発者は手柄を立てたために直ちに釈放され、黙秘者は非協力のために10年間投獄される。互いに告発すれば、証拠があるからともに懲役八年。囚人は相手を信頼できないので、告発し合う傾向になる。
「見えないもの(可視化されていない取調室の状況)を対象とするため、解釈論争に陥りがち」について、その場合は、供述を説明できる相手を複数選んで参加させる必要があると思う。たとえば複数の心理士。最後は裁判官の判断に委ねる。

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  • 107

     「人は自分の利益を最大化しようとする」も「自分の置かれている環境が自分を脅かすリスクを最小化する」も、一般的な基準です。該当する人が多いのは確かですが、特定の人がその通りに動くか(動いたか)はわかりません。このことは、第8回「供述へのアプローチ」でお話しした通りです。囚人のジレンマなどのゲーム理論から得られるのも、一般的な傾向で、その通り人が動いたかどうかはそこからは導けません。
     ところで、今回は供述分析のいろいろな方法を心理学的に考えてもらうことが課題であって、「自分にとってより不利になることを隠そうとするはずだ」「事件の核心的な部分が隠されるはずだ」という特定の経験則について考えることは少し中心を外れています。
     多様な解釈がある場合は複数の見解を尋ねるのは一つの方法ですが、精神鑑定がすでにこうなっています。複数の鑑定結果がバラバラで、最終的に裁判官が判断している。裁判官が最終的な判断を下す権限があること(逆に裁判官以外はここに最終判断を下すようなことをしないこと)は司法の独立性を担保するために必要ですが、鑑定がバラバラでは裁判官の判断材料に本当になるのかという批判もあります。

    5点差し上げます。