第3章 奪取
03-01 ワールは語る
「ちょこさん、進路上にワールの反応です」
「来たか!」
「今度は三体ですが、どうしますか?」
三体か。俺一人では手に余るが、どうすっかな。
「あたしは戦闘力皆無だからね」
「魔法的な何かでバババンと倒せないか?」
「無理無理。物理の方が確実って言ったでしょ」
絹枝が頭数から外れると、残るはガチか。
「一応防衛システムはありますが、殲滅するほどの火力はありません。あくまで防御特化です」
「あらん。しゃーなし。やりますかね」
「おっちゃん死なないでね」
死んでる場合じゃないしな。先ずは敵を見定めなきゃならんが……
「ガチ、ワールの映像って拡大できるか?」
「お待ちください……モニターに出します」
お、フロントガラスの半面がモニターになってるのか。
んで、どんな敵だ?
「人型やね」
「人型です」
「人型か……」
トカゲはまだしも、人型はなー。抵抗あるな。
まあそんなことも言ってられんか。
「話しが通じるならいいが」
「どうでしょう」
「まあ出てみるよ。二人は後方待機ね。危なくなったら拾ってくれ」
「かしこまりました」
よし、いくか。
──────────
三体の人型は、正に人だった。
うー、できれば戦いたくないが、ガチがワールって言っている以上、敵なんだよな。
「お前ら話しは通じるか?」
「貴様の名を言え」
「俺の名はちょこん、お前たちは誰だ?」
とりあえず言葉は通じたが、さて。
「我らは風の三兄弟。略して「風ブラザース妹もいるよ」だ」
「略の方が長いぞ」
「うるさい!默りなさい」
妹と呼ばれた子はだいぶ勝気だな。
「俺の名は教えたんだ、お前たちも名乘ったらどうだ?」
「……」
「じゃないと、墓標に名を刻めないだろ」
「この野郎!」
「まあまあ兄さん落ちついて」
「そうよ、こんな奴なんてワンパンなんだから」
長男はアホなんだな。
次回新キャラの正体が明らかに!