昨日見た月は双子星だったか

ちょこんの不思議な冒険(仮) / 27

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ちょこん(FLO) 2018/10/31 (水) 03:07:06

02-12 これは車だ!車だぞ!

「おっちゃんこっちは?」
「どれどれ」

 キッチンの更に奥には、少し狭いがシャワールームもついてる。

「これは体を洗う場所だ」
「へー。覗かないでね?」

 失礼な。俺は幼女嗜好もケモナー思想もない。
 いや、どちらも可愛いが、保護対象であってそういう癖はない。

「任せろ!俺はお前には欲情せん。浴場だけに。ぷぷぷ」
「……」

 きっと彼女は浴場という言葉を知らないから、俺の面白さを理解できないのだろう。
 誠に残念である。

「もうそろそろよろしいでしょうか」
「はい?」

 室内に先ほどのロボチックな声が響く。
 そういえば、所有者登録してから、カタカナ言葉じゃなくなったな。

「ちょこんさん。運転席へお越しください」

 声だけの存在って流行ってるの?作画も音入れも楽だろうな。

「とっととお越しください」
「はいすいません」

 この野郎。いや男じゃ(ry

「説明をしますので、運転席にお掛けください」
「はいよろしくお願いします」

 俺は大人だからな。先ずは話を聞いてからだ。
 その後たっぷり仕返ししてやるんだ。

「私はG社のT型です」

 G社?地球のメーカーじゃないのか?それとも俺の知らないカスタム専用の会社なんだろうか。

「よろしければ私に名前を付けてください」
「お、おう!」

 車に名前を付ける。君らは子どもじみた行為と思うだろう。
 だが、これは大事なことだ。なんたって愛着が湧くからな。

「何がいいかね?お前さんは女の子なの?」
「ちょこんさんが望むならガチムチの声にも変更可能です」
「いや、ちょっと、それは、う?ありなの?いやなしの方向でお願いします」

 きっとナビ機能もついてるんだろうし、ごっつい男の声で「次の信号を右です」とか言われても萌えんな。信号なんてないんだろうけどな。

「名前か、うーん」

 しばしシンキングタイム。ここは焦って変な名前をつけると後で悔いる羽目になるからな。慎重にいこう。

 ガチャで手に入れたキャンピングカー……

「よし、お前さんの名前が決まった」
「はい、お願いします」
「ガチ号だ」
「……」
「……」

 ガチ号も絹枝も沈黙を貫いている。

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