02-07 最近物忘れがひどい
体感で一時間ぐらいだろうか、ひたすら歩く。絹枝は何を目印にしているかわからないが、振り返って足跡を見ると正しく直線になっているので、根拠はあるのだろう。
何か忘れているような気がして、しばらく考えながら歩いていると、
「思い出した」
「なにを思い出したの?」
メニューだ。すっかり頭から抜けてた。
よし、メニュー!
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ステータス 表示
アイテム 表示
ガチャ 表示
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「絹枝、メニューって知ってるか?」
「うん。知ってるよ。それがどうしたの?」
ほう。絹枝も知ってるのか。
「これってどう使うんだ?」
「あたしにはおっちゃんのメニューは見えないよ」
「そんなもんなの?」
「そんなもんだよ」
おとさん、せんちゃんは見えていたような気がするが……
「なあ、ステータス、アイテム、ガチャってお前もあるの?」
「ガチャはない。その変わりスキルがあるよ」
「おおおお!スキル」
「な、なに?その反応は?」
「スキルはええな」
「そう?別にメニューから使うわけじゃないから」
そんなもんなのかしら。まあいちいちメニュー呼び出して使ってたらいざってとき困るよな。いざ?いざ?って何だ?戦闘?危機?
「スキルってさ、戦闘とか危機の回避に使えるの?」
「使えなくもないけど、普通に物理で闘ったり、防いだりした方が確実じゃない?」
もしかしてだけど、このメニューってただ単に記録みたいなもんなのか?
「ステータスとかさ、スキルって自分の状態を知るためのものだったりする?」
「他に何があるのさ」
……そうだよな。異世界モノでもステータスは現在の状態の確認だよな。
だがな、俺にはガチャがある!(アイテムもあるが)
「絹枝よ。ガチャって知ってるか?」
「知ってるよ。ガチャガチャでしょ?」
「お前の知ってるのと、俺の知ってるのとでは違うような気もするが、きっとこれは素晴らしいものなんだ!」
「ふーんよかったね。ほじほじ」
この野郎。いや女の子だから野郎はないか。このまあまあ美少女め!
「まあいい。ちょっと休憩しよう」
「うーん、いいよ」
お待たせしました次回はいよいよガチャの時間です!