02-04 それとも寝る?
「例えばさ、銀河の中にある惑星からその銀河の全容を知るのは無理だよね?」
「全く無理ではないんだろうが、今の科学では知りえないな」
「理論が確立されても物理的に無理ってのはあるじゃない?」
「そっか?そんなこともないと思うぞ?」
「そう?」
「理論的には観測できるだろ」
「ああ、理論的にはね」
「……」
「……」
※難しい話しが続きますが、書いている本人もよく判ってないのでご安心ください。
「んで、それと魔法となんの関係があるんだ?」
「いやあんまりないんだけどさ」
「おい」
「なんか話しの流れ的な?」
「もういいです……」
つまり魔法は地球の人間が曖昧に認識している「勘」のようなものを研ぎ澄ませた結果使えるものだそうだ。
ってことは俺も使える?
「いや無理じゃない?」
「なんでさ」
「赤ちゃんにいきなり100メートルを9秒台で走れって言っても無理でしょ?」
「そりゃそうだ」
「そういうことだよ」
使えないらしい。でも、頑張ればいけるよね。こいつがなんと言おうといつかきっと絶対必ず使ってやるんだ!そう心に決めるちょこんであった。
「まあ頑張りなよ」
「おう!」
さて、補給も済ませ、魔法の事も知り得た。この次ぎはどうすっかな?
「寝るか進むかしかないよな」
「そうね、あたしとしては寝る方をおすすめするけどね」
「その理由は?」
「あたしのエネルギーはおっちゃんから摂取してるので、早いとこ回復してもらった方がうれしいね。あと、つまんないボケかましたら痛い目みせるからね」
牽制されてしまったでござるの巻。
「わかった、寝る。だが、このまま寝て大丈夫か?襲われたりしない?」
「あたしが襲う訳ないでしょ。他の生物的なものなら大丈夫じゃない?」
「なぜわかる?」
「見える範囲には生物もいないし、いたとしても近付けばわかるからおっちゃんを叩き起こせばいいし」
「うーんあんまり目覚めてすぐ動くのは避けたいんだが」
「贅沢言わないでね」
「まあ話しているよりはとっとと寝た方がいいな」
絹枝がいることで安心したんだろうな。俺はそのまま地べたに横たわり眠りについた。
「おっちゃんおやすみね」