01-16 そして伝説へ
いやこのタイミングで伝説になると終わっちゃうから。
さて、お嬢ちゃんたちは元々声しか聞こえてなかったので、居なくなったかどうかわからんが、消えたっぽいな。勘だけどね。
月の出る方を目指せと言われたが、よくよく考えれば月は昇れば沈むもんだ。
今は天頂に近いところにある。
「暗くてよくわからんが、山とか目印になる森なんかもないから、月が昇っちまうとわからんわな」
地べたに寝るのもなんだが、軽く目を瞑るくらいはしても大丈夫だろ?何せ俺以外の生き物がいないって言うんだから、襲われることもあるまい。
この場で胡坐をかき荷物の確認でもしようかね。ただ明るさが足りないんだよね。こう暗いとアイテムを見分けるのもうまくいかんな。
「そんな時はライトの魔法ギャピー」
「ぎゃ?ぴい?」
「そうギャピー」
「よく見えないんだがお前は誰だ?」
「菌類の妖精、絹枝ギャピー」
絹枝?日本人?んでギャピー?
「細かいところは突っ込まなくていいよ?おっちゃん」
「おい、語尾は演技か?」
「演技とかじゃないから。キャラ付けとかでもないから」
「ほう。わかった。とりあえずスルーしてやる」
「おっちゃんありがと」
若いとは言わないが、おっちゃん呼ばわりは……まあいっか。
「あきらめは肝心だよ」
「そうだな。拘りは重要だが、固執しちゃいけないな」
「そうギャピー」
「お前もキャラ付けしなくてもいいぞ?所謂ガイドキャラだろ、お前?」
「ガイドキャラとかよくわからないよ?あたしはあたしだから」
タイミング的に新キャラだからこの子?を連れて旅をするパターンとみた。
「旅は一緒にするよ?」
「なんだ、お前も心の中を読める系か?」
「いあ、読めないよ?顔に出てるよ?」
がびーん。俺ってそんなに単純な奴だったのか。
「はい可愛そうだね。てかさ、もうそろそろなんじゃない?」
「え?何が?」
そう、第1章はここで終わるのであった。
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