「ガザ日記」を読んだ。毎晩ベッドで読んで、泣いた。
ヨルダン川西岸のパレスチナ自治区に住むパレスチナ自治政府の文化大臣アーティフ・アブー・サイフがガザの両親や知人を訪ねている時に、イスラエルによる封鎖とジェノサイドが始まり、出国が許可されるまでの85日をイスラエルの攻撃の下で過ごしたその記録だ。
その日1日を生き残るための水・食料・眠る場所・燃料をどう調達するか考え探しまわる日々。イスラエルの指示に従って、避難するか、留まるべきか。
南部に避難した後は状況は更に悪化。
電波の繋がりやすい早朝に親戚や知人に電話しまくり、安否を確認する。無事が確認できた人と殺された人、大怪我をした人、生死を確認できない人。
テントを出て歩き回れば、友人や親戚に出会い互いの無事を喜び、情報交換。
そんな中でも、幸運にも充分な食料を入手した人は、ご馳走を作りみんなを呼んで食卓を囲む。自分の持っているものがパン1つだけでも毛布1枚だけでも、もっと必要な人がいれば惜しみなく与える。
このところガザに関する報道がない。ジャーナリストが殺されてしまったのか?イスラエル兵はジャーナリストを標的にする。
まるでゲームを楽しむように人々を殺すイスラエルの若いスナイパーはどんな育ち方をしたのだろうかと筆者は訝る。
イスラエルは作家たちも標的にしている。
2023年12月に故意に殺された作家リファルト・アル=アイールの詩が彼の最後の詩になった。
もし私が死なねばならぬのなら
君は生きなけれはならない
私のことを語るためだ
そして私のものを売って
一片の布と
糸を買ってほしい
(長い尾のついた白い凧を作るためだ)
ガザのどこかで子どもが
天を仰いで父親を待つ
炎のなかで旅立った父親は
誰にも別れを告げなかった
自分の肉体にさえも
自分自身にさえも
君の作ったわたしの凧が
空に舞い上がるのを見て
その子は一瞬、そこに天使がいる
愛を戻してくれると思うだろう
もしわたしが死なねばならぬのなら
それが希望を生み出すように
それを物語にしてほしい
ガザのことを思って、毎日心が塞がれる。
ガザだけでなく、ヨルダン川西岸のパレスチナ自治区でもイスラエルの攻撃は激しさを増している。ナーブルスのオリーブ石鹸の工場も停止を余儀なくされた。
工場を支援するために日本の輸入業者がクラウドファンディングで支援をで支援金を募っていると知って、少し応援した。https://yourorganics.shop/products/nablus1611soap
ナーブルスの石鹸はガザ日記の著者がパレスチナ自治政府の文化大臣として世界遺産のリストに申請中だ。
白昼堂々と行われているイスラエルによるジェノサイドを自由・平等・民主主義を標榜する欧米諸国が非難するどころか援助しているのはシュールと言うか何とも不条理だ。