K 様
お久しぶりです。長い間ブログの更新がなかったものですからどうされたのかなと思っていましたが、心は遠く宇宙のかなたのほうに飛んでいたのですね。
今回は「同病相憐れむ」ということで、私も同様の事例に遭遇しこれほどまでに聴力の衰えが進行してしまった事例に遭遇したことをお話したいと思います。
バドミントンの指導中のことでした。私の手元にあるタイマーの電子音が私には聞こえず、しかし遠くにいる練習中の中学生にはちゃんと聞こえているようで、その電子音に従っててきぱきと彼らは練習を続けていくのです。
こんなに近くにいる私には聞こえないのに、遠くの彼らにははっきりと聞こえている、私もその時愕然としたわけです。
ひるがえって、このことがオーデイオにどうかかわってくるかということですが、私もしばらく悩んだ末、次のような結論に至りました。
「原音再生」とよく言われますが、それは絶対的なものではなく相対的なものなのではないかという考え方です。
生演奏を聴いて感動したその年齢の耳には、再生音も同じように聞こえていると思うのです。
猫は人間の可聴帯域をはるかに上回る聴力を有しているそうですが、その能力を人間が獲得したとしてもあまり意味がないのではないかとも思います。
自分のことで言えば、高域が聞こえなくなった分だけ楽音の中域成分に注意が行くようになりました。ヴァイオリンを決してないがしろにしているわけではないのですが、ヴィオラ、チェロ、そしていくつかの木管楽器などが以前に比べてより心の中に入ってくるようになりました。また、そのあたりの分解能に優れたオーデイオ再生を追求するのも楽しみとなってきています。
かのベートーヴェンも聴力をほとんど失ったのち、後期の幾多の名作を完成させたわけで、(あんな偉人と我々を同一に並べてよいものか悩むところではありますが)、それに比べれば我々はまだ道半ばということで、より一層の高みを目指してオーデイオ再生の道に邁進出来たらうれしいと思うものであります。
shigetaさま
うーん、流石に造詣の深いお言葉と感じました。
やはり当方と同様にタイマーの音が聞こえなかったのですか。
高齢になると当然のこととは言え、少し寂しく感じます。
なんか耳の方もスピーカーと同様で3wayからフルレンジになったという感じですが、フルレンジは一番バランスに優れていると考えることにしましょう。ありがとうございます。