Kさん
昨日は楽しいオーデイオタイムを過ごすことが出来ました。お招きいただき本当にありがとうございました。
私にとっての第一の興味は配置換えされたシステムの音がどのように変化したかという点にありました。従来よりもリスニングポジションが遠くなり、あの豊潤なKサウンドがどのように変化したか、大変興味のある所でした。
そして、結論的に申せば今回の配置替えは大正解であったように思いました。それはMCトランスの聞き比べをするのに必要な音場感や奥行き感がより一層はっきりしたことからも明らかなことでした。また、まじかで聴くよりもある程度距離を保った方が、よりコンサートホールでの生演奏に近く感じられるからなのではないでしょうか。
様々な真空管の差し替えも行ってみましたが、ほとんどKさんの説明どおりの音がしていましたし、やはり東の横綱はRE604、西の横綱はPX4という感じでした。それにしてもチューブオーデイオラボ製作のコンパチアンプは各々の真空管の特徴をしっかり出してくれる優れたアンプであると改めて再認識いたしました。
さて、本題のMCトランスについてですが、私が好ましいと思ったのはKさん所有の<ランジバン>と<WE-KS>と私の持ち込んだ<コリンズ>のトランスです。いずれもパーマロイコアを用いたアメリカのものですが、三者三様の甲乙つけがたい音楽的な鳴り方をしていました。また、私の持ち込んだWE純鉄コアのトランスについては別枠という感じでした。
そして問題のツゲ電機製作のMCトランスですが、実体も重量級であるように出てくる音も重量感あふれるものでした。
ただ、音楽性という点において残念ながらアメリカのトランスに及ばないという感じを私は受けました。具体的に言うと
個々の楽器の像が大きくなりすぎて、ステージにオーケストラがきちんと並んでいないのです。そして、それぞれの楽器の音についてははっきり力強く描出されるものの、他の楽器とのハーモニーがあまり感じられませんでした。
オイルによる含浸とのことですが、化学合成されたものを含浸材に用いると音がとげとげしくなると聞いたこともありますし、一つのトランスでHIGHとLOWのインピーダンス切替がそういった傾向を生み出しているのかもしれません。
聴き比べをしながら、私は「Kさんは優しい人ですね。ダメと言わずにこれはジャズ向きと言って切り捨てないところが」と言ったりもしました。良い音を追求していく際に、”クラッシック向き” ”ジャズ向き”という概念をどこまで持ち込むべきなのか私にはよく分かりません。
そんなことを考えながら、夕暮れ時の道を車のハンドルを握りながら私は家に向かっていました。
shigetaさま
試聴感想ありがとうございます。
いやいや昨日は聴きませんでしたが、本当にジャズでは良かったんですよ。
ジャズは基本的にプレーヤーが少人数で、それぞれの音がしっかり切れ味を持って聴こえるところが向いているようで、実際に試聴してそう感じた次第です。
やはり私はクラシックに求める音色とPOPSやROCKに求める音質傾向が異なるため、具体的には弦が柔らかく響くとドラムの切れ味や締まりがなくなるなど、それぞれ相容れない関係にあると思っております。
概念的な音質の向き、不向きの考え方を持ち込むつもりはないのですが、現在のシステムでも両立は難しいと考えております。クラシックを聴く時はRE604/PX4が最良ですし、そのTUBEを使ってROCKを聴くとドラムのタイトな響きやベースラインの重量感は出てきません。まあ音楽の聴き方や好みの問題もあるのでしょうね。
また次回もよろしくお願いいたします。