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D404F203 2020/07/05 (日) 01:15:05 b7f8c@e919f

PX4アンプについての解説
今回のPX4アンプは前段管が6SL7と指定されていたので少々頭の体操が必要でした。
6SL7は適度な増幅率を持つ音の良い電圧増幅管です。
しかし古典三極管をドライブするには出力インピーダンスが高くドライブしきれない可能性がありました。
解決策として
1、6SL7の両ユニットをパラレル接続にして出力インピーダンスを半分に減らす。
2、6SL7のプレート負荷を大容量のチョークコイルにすることで動作点をドライブ能力のが高く低歪の領域に設定。
TMSプロダクツさんが200H(ヘンリー)という大容量のチョークコイルを手巻きしてくれたので大助かりです。

次にPX4事態の問題として
PX4は古典管の中では電極間の静電容量(以下電極容量)が大きい部類の球です。
前段管の6SL7から見ると少々荷が重いのです。
そこでPX4にブートストラップを掛けることにより電極容量のうち6SL7の負荷となる入力容量を低減しました。
PX4に導入したブートストラップ回路は私がテレビの垂直偏向回路からヒントを得て考案したものです。
PX4の入力容量を低減することにより音にスピード感が増し歪が減少します。

次にPX4と再替え可能となるRS289について
RS289はテレフンケンが開発した送信管です。
アメリカ型の増進管は高域に偏った音の球が多いのですがRS289は違います。
三極管接続にすると極めて内部抵抗が低く素晴らしい低音を聞かせてくれます。
物理特性はAD1やEdと非常に近くオーディオ専用管に全く引けを取りません。
送信管特有の高域の抜けの良さも兼ね備えていますからとてもワイドレンジな球です。
圧倒的なスピード感はAXIOM80やLowtherといったハイスピードスピーカーにマッチすると思います。
電極容量はとても小さく前段管の6SL7に優しい球でもあります。
値段が安いのでスペアチューブの心配もありません。

最後におまけです
今回のアンプはRS289を使えるようにしたことでもう一つ使える球ができたのです。
それはテレフンケンの業務用出力管RV210です。
RV210はPX25並みの出力が得られる球ですが今回のアンプでは軽い動作での使用となります。
あまり高価な球ではないので面白い存在と思います。
相場はPX4の1/3くらいと思います。

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